店舗開発では「店舗をどういう立地に出店するべきか」という、個々の店舗の出店判断に関する問題に焦点が当たることが多いですが、これからしばらく、いくつかの企業を例に“店舗網”という観点で会社を捉えることを試みます。“店舗網”という視点は職位が上がるに連れて求められるようになるものだと思います。

個々の店舗の立地は妥当であったとしても、更なる多店舗化を続けていく上で、果たしてそれだけで十分なのか?という問題を考えてみたいと思います。

当たり前の話ですが、新規出店を進めるにつれて“店舗網”の形は変化します。この変化は新店が追加されるだけでなく、いくつかの既存店舗の売上や費用に影響を及ぼしたり、店舗網を管理するための費用の増加をもたらしたりといった波及効果を及ぼすものです。

1店舗を出店するかどうかを判断する際に、その周辺に既存店舗があれば、その店舗への影響が議論の対象になることがあるでしょう。しかし、周辺店舗への影響を重視しすぎると、周辺に既存店舗がない場合に出店の“空白エリア”であるという理由で判断基準がゆるくなることが考えられます。その際には全ての店舗を含んだ“店舗網”という視点を持たずに出店判断をしてしまいがちです。

また、店舗網を広域に拡大するということは、とても積極的なイメージを与えるもので、ある企業が積極出店により客数が増えているというニュースはたまに見聞きしますが、その後を追跡したものはほとんど見聞きしないように思います。

店舗網の形状がどう変わると、企業全体の業績にどのような影響があるのかについては、多店舗化を継続する際に重要なチェック項目であると思われるのですが、見落とされてしまっているようです。

そこで、店舗網の現状をどう評価すべきかについて“店舗網の健康診断シリーズ”というタイトルでしばらくお話したいと思います。以前は自分の体が健康だったからといっても、それが今でも維持できているという保証はなく、定期的に健康状態をチェックすべきであるのと同じように、年々変化する自社の店舗網も定期的に健康診断が必要です。

はじめに『餃子の王将』をケーススタディとして採り上げさせていただきたいと思います。こちら(https://www.ohsho.co.jp/shop/)で、『餃子の王将』の出店状況をご覧いただき、どういう状況かをコメントしてみてください。

続きは次回のブログで。