意外と広い“店舗開発の実務に必要な周辺知識”~エクセル・統計スキル編~

「そこに出店して売れるのか」と聞かれたら?

会社で資料等を作成したり、店舗の売上を確認したりする際にエクセルをお使いの方は多いと思います。人によってはエクセルにお詳しい方もいらっしゃるでしょうが、そうではない、もっと仕事で使いこなして、仕事の効率をあげたい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
店舗開発の実務では、様々な開発フェーズにある複数の物件を同時並行で進捗させる必要があるため、仕事の効率アップは不可欠でしょう。

では、効率を上げにくいのはどの業務か?弊社のセミナー等で「店舗開発フローで最も時間がかかっていることは?」という問いかけをすると、回答数が多いのは、「出店に向けた社内調整」です。
もめるのは、「そこに出店して売れるのか?利益が出せるのか?」という問題で、それに対して分かれた意見を収集するのに大小含め多くの会議やメールのやりとり等が必要となります。

「そこに出店して売れるのか?利益が出せるのか?」という問いに対して“売れる”ことを説得力をもって説明したいのだが、なかなかうまくいかない・・・ということはありませんか?

説得力がある説明とは?

ここでまず、“説得力がある説明”とは何か?ということを考えて見たいと思います。この場合、まず“説得力がない説明”を考えて、その反対を“説得力がある説明”としたいと思います。

そこは売れないよ。だって○○店と場所が似ている。〇〇店は売れなかったじゃないですか。

これは説得力がありません。なぜなら参考にする店舗数が1つしかありませんし、その人が○○店を比較対象として出したにすぎないからです。○○店のほかに場所が似ていて売れた店が1店でもあれば終わりです。(…こういう人を説得するのは大変ですし、会社の上層部もこういう人ばかりだとしたら会社を変わることを考えたほうが良いのかもしれませんが、そうではないことを想定して続けます。)

“説得力がある説明”とは、これだけ売れるということを説明する際に、都合の良い既存店だけを選ぶことなく、十分な数の既存店を参考にしている説明です。

その際に、比較する店舗が2店、3店くらいまでなら頭の中で考えることができますが、それ以上になると難しくなります。そこで、“統計的な考え方”とそれを実行するための“エクセルの知識”がどうしても必要となるのです。統計やエクセルは相手を説得するための“知的な武器”と考えてください。

でも、店舗開発実務で必要な知識は本のごく一部だけ

同じようなことに悩む人が多いのか、書店にはエクセルやビジネス統計に関する本がたくさん置いてあります。その多くは分厚くてとても読み切れそうになかったり、自分の仕事の効率アップに直結するのか分かりにくいものであったりします。

乱暴な言い方になりますが、チェーン企業の店舗開発担当者が既存店の売上の傾向を分析して新店の売上予測を行うために必要な知識はそのごくごく一部です。

統計学の本に“需要予測”という章が含まれているものがありますが、これも時系列のデータを対象にしたものばかりです。グループ間の平均値に有意な差があるか?というようなことは店舗開発の実務ではほとんど問題になりません。一方、“回帰分析”はよく使うものの一つですが入門的な本では実務では使うことが稀な基本的な部分で説明が終わってしまい、実務で使うことはきちんと書かれていないのです。かといって中級レベル以上の本になると難易度が上がります。

こうしたジレンマから脱出するには、実務でよく使うことだけをピックアップして、その概念や方法を順序立てて理解・暗記し、それを徹底的に実践練習することが必要です。そのようなことを3時間で学ぶ場所として、“店舗開発担当者のためのエクセル・統計入門『既存店分析実践・売上予測モデル作成編』”を企画しました。「既存店のデータをどうエクセルでデータ化するか」から始まり、必要な分析手順を説明し、終了時には重回帰分析を使って売上予測モデルを御自身で作成し、評価できるようになっていただくことを目標としています。定員6名の少人数制で、店舗開発の実務で、とりわけ売上予測に説得力を持たせる際に、頻繁に使用するツールや関数を繰り返し丁寧にご説明します。エクセルは苦手、という方でもぜひご参加ください。