前回の続きです。食べることに真剣な人がガッツリと食べるときに、わざわざ行って並んででも食べるものは?

・・・思いつくものとしては、私も学生時代から通っている“ラーメン二郎”や、最近では“いきなり!ステーキ”も入ります。

私ならこうした店舗が成り立っている市場をリストアップし、傾向に類似する市場をリストアップすることを試みます。

カールスジュニアが出店の際にやっては“いけない”ことは2つあると思います。

やってはいけないことの1つ目は、大型商業施設に「目新しさを与えるテナント」としてホイホイ出店することを繰り返しながら店舗数を増やすことです。

価格やボリュームを考えると、日常的にカールスジュニアを利用する人の層は限られているように思います。まだ店舗数も少なくて希少性があるため商業施設等から出店要請があるかもしれません。しかしそうした施設に仮に出店したとした場合、オープン当初の集客を継続することは難しく、店はあるが空いているということにもなりかねないとう気がしてなりません。

10年で150件であれば、食べることに真剣な人が出現しそうな立地、施設をじっくり選ぶことを期待したい。更には、中長期的にはロードサードへの出店も期待したいものです。

やってはいけないことの2つ目は、“首都圏”を広くとらえて、簡単に広域に店舗網を拡大することです。

先ほど“いなりステーキ”を引き合いに出しましたが、彼らは広域展開も“いきなり”で、短期間に全国的に出店してしまうので、その点だけはマネしないようにしてほしいものです。

地方への展開は、首都圏でしっかり知名度をあげ、イメージ形成をし、地方都市で待望論が出てきてからでも決して遅くありません。その方が、長期的に取れる総売上高は増えるのです。

手軽にガッツリしたものを食べる際の選択肢の一つとして、再参入のカールスジュニアが日本市場に定着するよう祈りつつ、引き続きウォッチをしていきたいと思います。(了)