「カニバリゼーション」(通称カニバリ)って何?【その3】の続きです。

過去にカニバリがあったかどうかをチェックする方法

はじめに、(「カニバリゼーション」(通称カニバリ)って何?【その2】)の復習です。

店舗の売上を規定する要因には、次のものが含まれます。

A.一度決まると・決めると、変えることが困難な要因
○ マーケット関連の要因:量・質・成長性、集客要素
○ 競合(自社・他社):店舗数、店舗の規模(面積・座席数)、立地の利便性
○ 物件の特性:立地の利便性、物件構造、レイアウトB.短期的に変わる、ないしは、変えられる要因
○ その他:天候、商品力、オペレーションの能力など
店舗周辺で「A」の要因の一部に変化があった店舗の売上推移

デイリー(日次)、ウィークリー(週次)、マンスリー(月次)の既存店売上データを時系列に見ると、その時々の短期的な要因の影響を強く受けてしまい、Aの要因の影響を把握するのは困難です。

そこで、短期的な変動を除去した12ヶ月移動平均を使います(エクセルでの加工方法は、別途アップします)。

近くに自社店舗が出店した場合のカニバリの発生の有無を分析する際も、この12か月移動平均を用います。なぜなら自社店舗の出店は「競合店舗数の増加」を意味し、それは、要因Aに含まれるためです。

次に、平均値の差の検定をします。

・差があるといえるか?(有意差があるか?)

・開業前と開業後の平均に有意差があるか?

をチェックします。

次号「市場ポテンシャル」(出店可能な店舗数)の考え方では、「ポテンシャル配分法・ストーリー法」(小売業販売額×業界何%×店舗数シェア=自社のポテンシャル→店舗への配分)についてお話ししたいと思います。