新たに店舗開発の担当になられた方、新しい会社に移り店舗開発に携わる方、また、企画部門や店舗運営部門をはじめとする店舗開発以外の部署の方などにとっても、チェーン企業において“既存店の分析”は必ず生じる業務だと言って良いのですが、その方法は人によって異なっていたり、人によっては何をすれば良いかがはっきりしていなかったり、といった具合に、標準的な方法が示されているようで示されていないように思われます。

そこで、これからしばらく“チェーン企業における既存店分析の方法”というタイトルで、その方法についてご提案させていただきます。

自社だけではなく競合店の分析にも一部応用可能な内容も含まれますし、必要とされるデータ、デスクで出来る分析と現地調査で確認すべき事柄などもご紹介しますので、よろしかったらご参照ください。

第一回は“既存店分析の目的”についてです。

自分なりに既存店に関するデータを集めて、エクセル等でデータベースを作り分析作業をされている方もいらっしゃると思いますが、その“目的”が明確になっているかを確認してみてください。これがはっきりしていないと、分析はしたものの、結局何が言いたいのか分からず終わってしまいがちです。

時間と労力をかけてプレゼン資料を作成したものの「それがどうしたの?」と言われるようなことは仕事においては避けたいところです。そうならないためにも、分析の目的をはっきりさせておく必要があります。

具体的な方法は後述しますが、ここでの既存店分析の目的は次のとおりです。

対象店舗の現状を記述(説明)し、その問題点を指摘し、改善提案につなげること。

店舗の状態が完璧ということは考えにくく、程度の差はあるものの何かしらの問題を抱えていると考える必要があります。問題は店舗の収益に関連します。売上を更に上げるために出来る施策が何か、コストダウンを図れる点はどこにあるか、といった具体的な改善提案につなげることを意識しながら現状を的確に把握し、問題点を指摘する必要があります。

次回は“既存店分析の全体像”についてお話します。続きは次回のブログで。