上海といえば蒸した小籠包が有名です。有名店は何といっても『南翔饅頭店』です。1900年(光緒26年)に呉翔升という人が同地で開業し、百年かけて定着したお店で、2006年7月には上海市の文化遺産にも指定されました。観光地・豫園にある行列のできる店です。行列に並ぶのが嫌だという方は、以前にご紹介した南京西路の『呉江路休閑街』にある“呉江店”がおすすめです。広いお店で、時間をずらせば空いていますし、VISAカードも使えます。プレーンな「鮮肉小龍」が22元(約360円、写真)で、小ぶりで食べやすいのが特徴です。

南翔饅頭店の小籠包 南翔饅頭店の小籠包メニュー 南翔饅頭店

さて、このくらいは多くのガイドブックにも書かれていることと思いますが、お話したいのはここからです。

確かに小籠包は有名で、現地の人もよく召し上がっているようですが、上海人が日常的に生活する地域で小籠包という言葉はほとんど見かけません。その代わりによく見かけるのは“湯包(タンパオ)”です。

南京西路の我が家から歩いて5~6分のところに『興昌盛』という店があり、上海に来た翌朝に行ってみました。朝の8時台、仕事に行く前に朝ご飯を食べる人が多い中、恐る恐る小籠包を注文してみると、きつい声で“タンパオ?タンパオ?”ときかれ、そうだと言うと、しばらくして期待したものが出てきました(写真)。単位は「ロウ」で、恐らく“楼”ではないかと思います。

興昌盛の湯包

翌日は“湯包、2楼”と注文すると、すんなり出てきました。我らが『興昌盛』の湯包は1楼8元(約130円)です。有名店のものよりも大きめで、皮も厚くて腹持ちもよいのですが、現地の人向けであるためか、出来立てのアツアツのものをほおばると、熱い、本当に熱いスープが炸裂して口の中が火傷しそうになりますが、非常に、非常に美味しいです。

なお、御紹介する施設や店舗、通りなどについては、最後にオリジナル地図に表示する予定です。

写真は湯包の店『興昌盛』外観。湯包型の提灯が目印です。上海市静安区の「新闸路」という通り沿いにあります。

湯包の店「興昌盛」
湯包の店「興昌盛」

続きは明日のブログで。

食べ物の話が続きますが、次回のコラムは上海で朝食を5元(約70円)で済ます方法をお届けします。