昨日の続きです。駅の“質”とはいえ、駅に関するあるものの“数(個数)”が関係しているのですが、何だと思われますか?ヒントは、

  1. “乗降客数が少ないのに想定以上に売れる”ということは、駅の乗降客数以外の要因で、駅間で個数に差があるもので、“量”ではなく“質”、言い換えれば効率のようなものを示すものです。
  2. 乗降客数が多かったとしても、この数が多いと売上は下がると考えたほうが良い数字です。
  3. 最も少ない駅の場合、0ではなく“1”です(これがない駅は考えられないものです)。

江戸川区の東西線西葛西駅。ここは10年ほど前によく現調した駅でした。ある企業の既存店の売上と駅乗降客数の関係をみたときに、西葛西駅の店舗は上振れしており、この原因を予測式に含めるための手がかりを探すためでした。

今では「東京メトロ」がホームページ上で各駅の構内図を丁寧に表示してくださっているので、それを使えば現調をしなくてもかなりのことが把握できるのですが、当時はまだそこまでには至っていませんでした。

西葛西駅だけ見ていては何も得られないので、東西線の駅を一つ一つ降りて各駅の構内を同じ基準で歩きました。その結果、今となっては当たり前のことなのですが、西葛西駅は“あるもの”の数が少なく、“効率が良い”駅であることに気づきました。

西葛西駅周辺の駅の“あるもの”の個数は以下のとおりです。

浦安:1、葛西:2、西葛西:1、南砂町:2、東陽町:3、木場:2、門前仲町:4

これを踏まえると、浦安と西葛西は上ぶれ、門前仲町や東陽町などは、仮に出店する場合は駅乗降客数を控えめに考える必要がある、という考え方ができます。

その数字とは、駅の“改札口”の数でした。0だったら大変ですよね。

5万人の駅で改札口が1つの場合と、乗降客数が10万人でも改札口が3つの場合とでは、乗降客数は倍の開きがあったとしても、個々の改札口の通過人数は乗降客数の少ない駅の方が勝っています。

関連させると駅の、特に地下鉄の、“出口”の数も関連していると考えられます。出口数も正解とします。

以上、売上予測をする際にはプラスに作用する乗降客数という量だけでなく、マイナスに作用する可能性のある“質”に関する情報も踏まえる必要がある、というお話でした。