鳥取県の電車の輸送分担率は?

昨日の続きです。国土交通省の「交通機関別旅客輸送分担率」データによると、東京都の都内移動における電車の輸送機関分担率は69.0%でした。

では、鳥取県の県内移動における電車の輸送機関分担率は?

なんと3.3%です。

自動車はなんと、なんと96.7%です。

ちなみに自動車の輸送負担率が一番高いのは宮崎県で、99.0%です。

表1は、国土交通省による平成19年度の府県別輸送機関分担率(府県内)をもとに作成した、鉄道の旅客輸送分担率の都道府県別ランキングです。

東京都のように「駅」が日常的なマーケットは、全国レベルでみると、少数派であることがよく分かります。

【表1】鉄道の旅客輸送分担率 都道府県別ランキング

交通機関別旅客輸送分担率都道府県別ランキング

鉄道の旅客輸送分担率 都道府県別ランキング

全国チェーンは戦いにくいが、個人で開業するにはチャンスがいっぱい

全国チェーンは駅ナカや駅付近に出店したがりますが、それはなぜかというと、都市部における「駅」が、老若男女を問わず不特定多数の人々を集める力があるためです。店舗単独で集客するのは難しいため、集客力を外部の施設に依存しているのです。

しかし、そのような駅は、通勤・通学・買い物等の移動手段が鉄道が中心の、いわば都市部に多数存在するものです。「自家用車が無くては生活できない人々」中心に形成されるマーケットには、実はあまり存在しないのです。

都市部を中心に出店している全国チェーンは、都市部の感覚のまま、都市部以外のマーケットへの出店計画を考えがちです。そして、都市部以外でも、駅や駅周辺を出店候補地の一つとして、時には、そのマーケットでの一号店の候補地として考えます。

しかし、そのように考えてしまうと、鳥取県のようなマーケットは、全国チェーンにとってなかなか戦いにくいマーケットになってしまうということが、お分かりいただけたのではないかと思います。

一方、このような「全国チェーンが戦いにくいマーケット」は、裏を返せば、個人で開業をお考えの方にとっては、チャンスがいっぱいのマーケットなのです。私は、東京都心のマンションから、八王子市郊外(自家用車がないと生活できません)の戸建てに引っ越して以来、そう確信するようになりました。

明日のブログでは、本シリーズ最終回として、「商圏の分断」や「良い立地とは?」の話をふまえてまとめてみたいと思います。