前回の続きとして、脱線編のデンマーク語入門です。

私はかつてデンマークのコペンハーゲンにあるStudieskolen(スタディースコーレン)という語学学校の夜間クラスで、週3日×3時間、サバイバルのためにデンマーク語を(猛)勉強していました。外国人のデンマーク語力については国によって6つのModule(ランク)が定められており筆記と面接の検定試験があります。留学中、私は下から2つ目のModule2まで行きました。ちなみに居住者は受講料が全額免除されます。

デンマーク語は、多くの皆様には馴染みの薄い言語と思われますので、印象に残ったフレーズを紹介しつつ、関連した体験談をお話しさせていただきます。

Jeg skal have stor fædøl. (発音:ヤ・スカ・ヘ・スト・フェデゥ)

デンマークで最初に覚えるべきフレーズで、「生ビールの大をください」という意味です。Ølはビールの意味。デンマークはビールが安く、『Carlsberg(カールスバーグ)』が世界的にも有名ですが、現地では『Tuborg(ツボルグ)』というブランドも人気があります。ビールについては「安いビールを求めて、スウェーデン人はデンマークへ、デンマーク人はドイツへ、ドイツ人はチェコへわざわざ出かけます」という小話があります。

もののサイズは「L」が大、「S」が小かと思いがちですが、デンマークでは反対で、「S」が「stor」で大、「L」は「lille」で小という意味です。コーヒーショップで節約のため小を頼もうと「S」と伝えると大が出てきてしまい、変えてくださいとデンマーク語で言えずにとても悔しい思いをしたことがありました。買い物の際には注意が必要です。

ビールにちなんで乾杯は「Skal(スコー)」です。デンマーク語では語尾は発音しません。「have」はハブではなく「ヘ」です。

Vi du med på kaffe?(発音:ヴィ・ドゥ・メッ・パ・カフェ?)

Nej, tak. Jeg skal hjem.(発音:ナイ・タック・ヤ・スカ・イェム)

「お茶を飲みに行きませんか?」「いいえ結構です。家に帰ります」というフレーズ。その教科書によれば、デンマーク人は家と職場の往復が日課で、近所のスーパーマーケット(夜7時には閉まってしまいます)を除けば途中でどこかに立ち寄ることはほとんどありません。デンマーク人は用事が済むとすぐに帰ってしまうと感じたころに学んだフレーズで、なるほどと思いました。夜9時には繁華街のStrøget(ストロイエ)も人通りがほとんどなくなります。

シリーズ最終回は、『ソストレーネ・グレーネ』のブランド・ブックにも出てきた「Hygge(発音:ヒューゲ)」と、外国人にとっての恐怖のデザート「Rødgrød med fløde(発音:表記不可能)」のお話です。続きは次回のブログで。