とりあえず、本出店戦略講義シリーズ最後の問題です。
オフィス街立地選定の問題

ここは新興のオフィス街で、最寄り駅と最近完成した大規模オフィスビルを結ぶように道路がのびており、その中間地点に大きな交差点があります。今後も周辺にオフィス等の開業が予定されています。

この道路上にA(駅出口)~E(オフィスビル内)の5か所の出店機会があったとします。あなたがコンビニセンスストアを1店舗開業するとしたらどこを選びますか?ただし、現時点ではコンビニエンスストアは他にないとします。

5か所のうち一か所を選ぶだけなら誰にでもできます。が、ここでプレッシャーを与えたいと思います。

立地を選定するというのはとても“怖い”ことです。なぜでしょう?(この辺りは学生向けということで、本ブログの読者には釈迦に説法の方も多いかと思いますがお付き合いください)

立地は、一度選ぶと失敗したからと言ってそう簡単には変えられません。これが、商品・メニュー、価格、店内環境、接客サービスなどと大きく異なる点です。

また、新たに店を出店するということは、開業し営業を開始する前に莫大なキャッシュ・アウトが生じるということです。その金額を営業しながら回収し、回収が終わって更に利益を上げ続けることで初めてキャッシュがプラスになるのです。これはつまり、開業後の長い期間にわたり利益を上げ続ける必要があるということを意味します。

飲食店などの開業に関するたくさんの指南書が書店に並んでいますが、それらをめくってみると、“メニューや内装などのすぐに変えられる要素ができていれば自然と客が来店してくれる”と勘違いしてしまう人を増やしているように思えてなりません。立地の選定については申し訳程度に書かれているものばかりです。

新しもの好きのお客さんは、新しい店が開いたとなると一度はわざわざ来てくれるかもしれません。しかし、それが継続する保証はないのです。開業後、数年で廃業するケースは想像以上に多いものです。

以上を踏まえて、将来の環境変化等も予測しながら、長期的に利益を上げられる立地を選んでください。

解説は明日のブログで。