コロナ騒ぎに適応しようと日々を過ごしていたら、早くも9月になってしまいました。

例年とは異なる過ごし方を強いられた“お盆休み”が明けたころから、将来に向けて動き出すお客様からのお問い合わせも増え、世の中が再び動き出した実感があります。こうした状況を受け、心機一転してブログを再開したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、この半年間は、店舗数がまだ一桁台から、二桁台であったとしてもその前半、の企業様のお手伝いをさせていただいたり、意見交換をさせていただいたりする機会が増えました。

その間にお受けしてきた御質問には、お恥ずかしい話ですが、自分自身がこれまで十分に考えてこなかった内容のものが少なからず含まれており、自分はまだまだだ、と反省すると同時に、店舗開発・出店に関連する問題領域の広さを実感しました。それに対して、弊社なりの考え方をまとめることを少しずつ試みてきました。しばらくの間、この半年間に考えたことを僭越ながら共有させていただきたいと思います。

まずは、店舗数が二桁台前半の企業様向けに、売上予測の際の下準備的な事柄についてお話しします。

弊社セミナーでは、店舗開発の業務に関連する統計・エクセルの知識を見繕って“定食”のようにまとめた“エクセルを用いた売上予測”を開催してまいりました。そこでは、新店の売上予測を行うにあたっては重回帰分析という統計的手法が必須であることから、重回帰分析を行うことを前提としてその内容をお伝えしてきました。

しかし、重回帰分析を業務で行い、新店の売上予測に使える売上予測モデルを1つ作るには、少なくとも店舗数が40~50はなければなりません。店舗間の売上の差異を説明する要因を十分に含めた式を作るには、そのくらいの店舗数がどうしても必要なのです。

それに対して、既存店の数がそれに満たない企業様が重回帰分析ありきで売上予測の業務を進めてしまうと、なかなか役に立つ売上予測モデルを作ることができず、不完全燃焼で終わってしまう可能性が高くなります。

この半年間で、こうした不完全燃焼気味のご意見をいただくことが何度かあり、弊社のセミナーはこれまで、重回帰分析の方法に関する技術的な説明に注力しすぎており、その前後のプロセスに関する説明が不十分だったことを反省いたしました。

思い返すと、自分がこれまで売上予測を行うためのモデルを構築する場合、いきなり重回帰分析を行うことはまずありませんでした。その前段階で行う作業がありました。この点を詳しくお話しする必要があったわけです。

店舗数が10~30店舗ぐらいの場合、新店の売上予測を行うことを意識せずに、それよりもまず、売れている店舗と不振な店舗のグループ分けと、それらグループ間の違いがなぜ生じるか“言葉で説明する”ことを行う必要があります。「それぞれのグループに入る店舗に共通することは何か?」と問いかけるのです。

その際に、重回帰分析を行うことなどは、全く考える必要はありません。一人では思いつく言葉の量に限界があるとしたら、同僚の方に問いかけてみるのも良いでしょう。

「売れている店舗グループ」または「不振な店舗グループ」に入る店舗が仮に10店舗あったとして、10店舗すべてに共通することを見つける必要はなく、少々当てはまらない店舗があっても良いくらいに考えます。最初から共通点を見つけるのが難しい場合は、それぞれの店舗について言えることを列挙するでも構いません。

自身の経験上、好調な店舗よりも不振な店舗の方が、共通点を示す言葉が出やすいような気がします。不振の店舗から始めて、「不振の店舗で言えることと逆のことが好調な店舗で言えるか?」と問いかけていくと、新たな言葉が出やすくなるかもしれません。

続きは次回のブログで。