年末の12月22日のお話です。2016年に1号店を開店した、カルフォルニア発祥のチャイニーズレストラン『PANDA EXPRESS(パンダエクスプレス)』に立ち寄りました。場所はラゾーナ川崎です。ここは最近ではパイフェイス(Pie face)が1号店を開業した商業施設です。

15時ごろでしたが、15人ほどの行列ができていました。せっかくなので並んで“人気メニュー”を注文し、テイクアウトするまでたっぷり20分弱かかりました。

今回は行列について考えてみたいと思います。

何かに行列ができる理由は2つあります。1つは、予想以上に並ぶ人が多いためです。2つ目は、店舗側の問題で提供スピードが遅いためです。それぞれを考えてみたいと思います。

開業当初に予想以上の人数が並ぶのはなぜか?

これはよく考える必要があります。開業当初に予想以上に集客して“これは行けるかも!”と思っていたところ、しばらくして行列が段々と短くなり、ついに途切れてしまい、集客がおぼつかなくなり、何故だろう?と首をかしげてしまうようなことにならないためにもです。

行列している人が誰かをよく分析しましょう。そこには、本来その店舗が大事にしなければならない顧客以外の人々が含まれているのです。

例えば『PANDA EXPRESS』の場合は3種類の人々が考えられ、そうした人達は固定客になる可能性が低いことが予想されます。つまり、一度並んだら二度並ぶことは期待しにくい人々ということです。

まず、アメリカに住んでいたり出張等で行ったりした際に『PANDA EXPRESS』をよく利用していた人が、1号店開店のニュースを聞いて久しぶりに思い出し、懐かしく思いわざわざ訪店する場合が考えられます。

また、業界関係者がいます。外食産業、商業施設、ディベロッパー、マスコミなどの関係者は、メニューやサービス内容、顧客の反応などを確認する目的でわざわざ視察に訪れることがあります。スーツ姿の人などは、大抵こうした業界関係者と見てよいように思います。

最後は、最近増えてきましたが、情報をソーシャルメディアなどで拡散する個人です。あるいは、1号店が開けば必ず見に行かれるような特別な行動様式をもつ人々です。

以上の3種類の人々のうち、2番目と3番目の部類に属する人々は、目的が別のところにあります。よって、その目的が果たせれば再度来店しなくなったとしても不思議ではありません。こうした分類に基づけば、私自身は2番目と3番目の両方の性質をもっていることになります。

1番目の利用経験者は、将来的に常連客になる可能性がありますが、近隣に居住、勤務するなどの条件が揃わない限り、同じ1号店の店舗に継続的に来るとは限りません。こうした利用経験者が継続的に利用することを期待するには、利便性の高いところに2号店、3号店・・・と追加出店を進める必要があります。

以上のような3種類の人々が離脱することにより、行列はいつの日か短くなってしまうのです。開業当初に行列が続いている場合は、その量(人数)に一喜一憂するだけでなく、その質(どんな人が並んでいるか?)についても把握する必要があります。店舗の最終的な目的は、常連客をいかに多くつけるかだと思います。それに叶う人がどれだけ含まれているか?そんな視点で行列を観察する必要があります。