日本マクドナルド不振の理由【5】当時の同社にとっての「店舗」の意味

論功行賞の現代版

昨日の続きです。さて、 私は、1999年当時(マクドナルドが高速出店していた時期です)、日本マクドナルドの店舗開発本部の出店統括局という部署の仕事に関わる機会を得ました。

今日は、当時のことで覚えていることを“雑談”としてお話しします。

(堺すすむさん風に。たまには良いでしょう)

店舗開発本部出店統括局~、そこは日本マクドナルドを~そろそろ退職する~社員が、配属を~希望する部署でした~~・・・

な~~んでか?

なんでだと思われますか?

それはね、どこの店舗の経営権をもらうと儲かるか知りたかったから

※このギャグがお分りいただけない方はこちら

当時のマクドナルドでは、マクドナルドの店舗の経営権は、いわば貢献した社員への退職金がわりだったのです。

当然、退職する社員は利益の出る店舗の経営権がほしいですよね。それがどこかを説明する部署は、店舗開発本部出店統括局だったのです。人によっては、ある都道府県の全店舗の経営権をもらうこともあったとか。いわゆる論功行賞の現代版でした。当時は、利益が出る店舗を引き継げば、確かに儲かりました。

FCオーナー対策としての売上予測・カニバリ分析

店舗を引き継ぐ人はフランチャイジー(以下FC)として店舗を管理します。ではFCが嫌がることは何か?

それは至近距離にマクドナルドが直営店を出店してくることです。当時は藤田田社長が新規出店を優先していた時代で、隙間があれば小規模店(サテライト)も含めて出店していました。

では、ここで問題です。

全盛期のマクドナルドでは、例えば平均月商3,000万円のあるFCの店舗があり、至近距離に直営店を新規出店した場合、FC店舗の売上が15%下がるという売上予測が出た場合に何が起こると思いますか?下記の3つよりお選びください。

1.FCの至近距離のため、直営店の出店は取りやめとする。

2.直営店をFCオーナーの同意により出店する。

3.直営店を、FCオーナーの店舗の売上が低下すると予想される金額を本社が埋め合わせることにより出店する。

簡単な問題でしたが、

正解は3です。

この例で、平均月商3,000万円のあるFCの店舗があり、その至近距離に直営店を新規出店した場合にFC店舗の売上が15%下がるという予測出た場合、つまり、4500,000円月商が下がると予測された場合、本社は同額を埋め合わせの意味でFCに支払い、新規の出店をしていました。

当時のマクドナルドでは、店舗開発本部出店戦略統括局が新規出店する場合の新店の売上予測だけでなく、周辺店舗への影響、いわゆる、カニバリ(カニバリゼーション)・自社競合、をも具体的な数値で算出していました。

つまり、FCの店舗の周辺に新たに店舗を開けた場合、FCの店舗の売上がどのくらいマイナスの影響を受けるか(これを自社競合・カニバリといいます)を、%を単位として分析・予測していました。

その理由は“FCオーナー対策”でした。

当時のFCオーナーさんの思い出

当時のマクドナルドのFCオーナーさんは、元マクドナルドの社員が多く、なんとなく部活の先輩のような“怖い”存在でした。

ここで余談です。

今もあるのか不明ですが、1999年当時は、マクドナルドのFCオーナーの全国大会がありました。

1999年のFCオーナー全国大会開催地は京都でした。なぜか竹中平蔵氏がゲストにいらしていて、藤田田(フジタ デン)社長とのトークがまったくかみ合あっていなかったこと、当時売り出そうとしていた“アイスバーガー”の試食で、ほとんどのオーナーさんが一口食べて“こりゃ売れんわ!”とおっしゃっていたこと、オーナーさんは羽振りが良い方が多く(車はベンツ、腕時計は・・・)自分もなりたいな、と一瞬考えたこと、…などを思い出します。

マクドナルドの元社員であるFCオーナーさんは、凄味のある人たちだったのです。(イメージとしては、体育会の部のOBです。)

FCさんについてはまた後日、勢いのあったマクドナルドがなぜ低迷するようになったか?というタイトルでお話しします。続きは次回のブログで。

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