商圏が分断される“最後の要因”とは?

昨日の続きです。商圏が分断される要因として、これまでに、3つのものを挙げてきました。

  1. 河川、
  2. 線路、
  3. 大きな通りです。

今日は最後の要因を紹介します。それは競争相手の店舗(競合店)です。

もし近隣に競争相手の店舗が出店してきたらどうなるでしょうか?

恐らく自分の店舗と競争相手の店舗の商圏は重なり合います。店舗が増えることで需要も増す保証はなく、そこでは売上を食い合うことになるでしょう。

競争相手の店舗の背後にいる消費者にとっては、競争相手の店舗の方が立地上の利便性が高まり、自分の店舗への来店頻度(利用頻度)が低下することが予想されます。

このように、競合店は自分の店舗の商圏を侵食します。これは河川や線路、大きな通りと異なり、店舗を開業後に発生しうる要因です。

競争相手がいないから安全という考え方ではなく、開業後に競争相手に出店されて商圏を侵食されるような立地が近隣に無いかどうかも、出店判断の際に確認する必要があります。

商圏が分断されることの意味

商圏は分断、侵食されるということをお話してきましたが、それは店舗にとってどのような意味を持つのでしょうか?

既にお分かりの方も多いと思いますが、店舗を中心とした円形の商圏内の人口に対して、自分の店舗が実際にカバーできる商圏内の人口が少なくなることを意味します。

それは期待される店舗売上の減少につながります。

出店判断の際には、確実にカバーできる商圏の範囲と競争相手に出店されたら危険な立地の有無を現地調査で確認する必要があります。

通りの向こうからもお客さんを呼べる、という希望的観測に基づいて売上を想定することは避けるべきなのです。