そのスーパーマーケットが選ばれる理由

昨日の続きです。今、単純に最寄駅と自宅を結ぶ線上にAとBの2店のスーパーマーケットが立地しているとします。皆さんはAとBのどちらを利用されますか?

駅--------自宅
A                  B

スーパーマーケットは利用頻度も高く、状況によって使い分けるという方もいらっしゃるかもしれませんので、その場合は、AとBのどちらを頻繁に利用されますか?という質問に変えたいと思います。

昨日もお話しした通り、スーパーマーケットで買い物をすると重い荷物を運ぶことになります。その場合、重い物を運ぶ時間と距離は極力短くしたいと考えるのが自然です。よって、このケースではBを利用する人の方が多いと考えるべきです。なぜなら、自宅へ帰る際の利便性がAよりも高いためです。

これまでの立地判断においては、駅などの集客力のある施設の近くが良い立地であるというものが多かったように思います。しかし、それが全ての企業、店舗に当てはまるかを再度考えてみる必要があります。

Aのような立地が良いとされる理由は、店前を人が通行する可能性が高く、通行量も多いためです。つまり、開業後に集客できないというリスクが低いと考えられるためです。

しかし、状況によっては、店前の通行量が多くても意外とお客さんをキャッチできないケースもあるのではないでしょうか?

白金台のような都心の住宅地では人は最寄駅と自宅を行き来します。その場合、駅周辺が好立地であると考えてしまって良いのでしょうか?自宅で消費するものを購買するために、お客さんが「自宅→店舗→自宅」、あるいは、「駅→店舗→自宅」と移動するような店舗の場合、自宅により近い立地の方が利用される確率は高まるという考え方も必要のように思います。

白金台のスーパーマーケットの配置から、後背地に住宅が密集している区域の入口やその中心にあたる立地の評価を考え直してみるのは有意義なことと思われます。