アトレ品川訪問記の続きです。この違和感は何なのかと思い、調べてみますと、『FOOD&TIME ISETAN』は、“「発信型ライフスタイルストア」を目指し、高感度なお客さまに、食に関する専門性と、食から広がるライフスタイルをご提案いたします”とあります。新しい施設の宣伝文句によくある言葉が多く散りばめられておりますが、品川駅でそのようなことを期待している品川駅の利用者がどれだけいるのか、よく考えてみると疑問が湧きます。私個人は食に関心がある方ですが、どんな提案があったのかと振り返ると記憶がありませんし、会社帰りに3階まで上って買い物をして、重い荷物を持って混雑した電車に乗って帰るかというと、まず乗らないです。どこかで乗り換えも必要となればなおさらです。また、“高感度なお客さま”という言葉もよく見聞きしますが、定義が不明で、よく考えると失礼な表現です。珍しさを感じず、特別な感覚を持たなかった私は感度が低いのか?・・・と思ってしまいます。

なぜそうなってしまうのか?

ここでの答えは、かつて同じようなことを企業で働きながら思うことがあった経験に基づいているのですが、それは、施設内をコーディネートしたり、デザインしたりする立場の人のスタンスに一部起因すると思います。

施設内をコーディネートしたり、デザインしたりする立場の人は、新たに建つ施設の外観予想図やフロアの図面しか見ていないのではないか?ということです。店舗開発担当者が事前調査で把握する事柄、つまり、その施設が地理的にどこの、どのような立地にあり、その場所と周辺の状況から手堅い潜在顧客はどのような人か、といった事柄の考慮が、コーディネート、デザインに十分に反映されていなのではないか?ということです。

品川駅は、その歴史から考えても、新たなライフスタイルの情報発信源になるには相当な時間がかかると思います。乗り換え客が多い駅で、そもそもそこにしばらく滞在する人は、待ち合わせ、打ち合わせ、諸々の時間調整などのためにとりあえず席が欲しい人がほとんどでしょう。そうした人々のうち、その“プラスα”で提供されるものが青いボトルのコーヒーやタコスでなければならないと考えている人が何%いるのでしょう?これは調査に値するかもしれません。

こうした視点で眺めると、店舗開発担当者の皆さんは、新たに開業した施設を視察する際に“なぜここにこれが?”と思うことはありませんか?“顧客満足”ならぬ“自己満足”の店舗、フロアは意外と多いように思います・・・これ以上書くと誰かに怒られそうなので、今回は以上です。(了)

 

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