昨日の続きです。多店舗化するサービス企業の店舗網の状況を説明する2つ目の用語、それは店舗網の“地理的な範囲”です。

学習塾ステップ(STEP)は1県(神奈川県)のみで教室を展開する一方で、明光義塾は47都道府県に教室を展開しています。つまり、多店舗化する“地理的な範囲”に圧倒的な違いがあるのです。

通常のサービス企業は、ある国内市場において次の順序で地理的な範囲を拡大します。

エリア(地区)→ リージョン(地域)→ ナショナル(全国)

「エリア」は、特定のエリアに店舗数を集中する段階です。つまり、学習塾ステップ(STEP)の現在の店舗網の段階です。

「ナショナル」は、明光義塾のように、全国に店舗網を拡大する、店舗網の最終段階です。

その中間に、ナショナルには足りないが、エリアよりは広域の「リージョン」形成の段階があります。

こうした三者を区別する際に、とりわけ、リージョンを定義する際に、店舗網を既に展開した都道府県数だけで地理的な範囲を説明するのでは不十分なのです。

そこで、地理的な範囲を説明する都道府県数に代わる指標として、展開済の“大都市圏の数”を用いることにします。

総務省統計局ホームページに、平成20年住宅・土地統計調査について記載されているページがあり、そこに大都市圏の定義がありますので、それを引用したいと思います。

「大都市圏」とその中心市

札幌大都市圏 札幌市
仙台大都市圏 仙台市
関東大都市圏 さいたま市,千葉市,東京都特別区部,横浜市,川崎市
新潟大都市圏 新潟市
静岡大都市圏 静岡市
浜松大都市圏 浜松市
中京大都市圏 名古屋市
近畿大都市圏 京都市,大阪市,堺市,神戸市
広島大都市圏 広島市
北九州・福岡大都市圏 北九州市,福岡市

(出所:http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/1-5.htm

これら10個の大都市圏のうち、北から“札幌、仙台、関東、中京、近畿、北九州・福岡”の5つを店舗網の地理的範囲の分類に用います。そして店舗網を展開する大都市圏の数をもとに店舗網を次のように分類します。

  エリア(地区)→ リージョン(地域)→ ナショナル(全国)
大都市圏数 0~1 2~3 4以上

この分類は、日本以外の国の市場でも当てはまるとは限りません。国ごとの人口や都市の形成のされ方によって変わってきます。その点はご注意ください。

皆さんのお勤めの企業、関心のあるサービス企業の店舗網は3つの分類のどれに当てはまるか考えてみてください。

続きは明日のブログで。