出店戦略論『幸楽苑 vs. 日高屋』総店舗数の地域配分が対照的な2社を比較する【2】

ケーススタディー:幸楽苑 vs. 日高屋 ~総店舗数の地域配分が対照的な企業~

昨日の続きです。では、ケーススタディーとして、総店舗数の地域配分の仕方が対照的な企業を比較しながらその意味をご説明したいと思います。

採りあげるのは、中華そばチェーンの幸楽苑(本社:福島県郡山市)とハイデイ日高屋(本社:埼玉県さいたま市大宮区。以下、日高屋)です。データは2015年2月時点のものを用いています。

両社が日本国内で面的にどのように店舗網を展開しているかを比較すると、日高屋の出店地域は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県の5都県、出店済みの市区町村数は108であるのに対して、幸楽苑の場合は、北は北海道から西は岡山県までの25都道府県に展開しており、出店済みの市区町村数は290にのぼります

【表】は両者の店舗展開に関連するデータを比較して示しています。

店舗数で幸楽苑が100以上上回るものの、幸楽苑は日高屋に比べるとかなり広域に展開していること、そして逆に日高屋は出店を首都圏の狭い範囲に集中していることが読み取れます。

また、前回、Mini-boxタイプのリテーラーは地域展開だけでなく、展開済みのエリアに追加的に出店しブランド浸透を図ることも並行して進めなければならないことを記しましたが、その点を確認するため、同じ市区町村で10店舗以上出店している市区町村とその店舗数も比較してみると面白いことが分かります。

日高屋は百貨店や高級ブランドが選択しているポテンシャルの高い市場に追加出店を行っていますが、幸楽苑は本社のある郡山市を中心に福島県内に追加出店を進めています。日高屋も本社のある大宮区に店舗数が相対的に多いですが、都心の繁華街への出店に注力している様子がうかがえます。

最後の行に“集中度(HI)”というものがあります。詳細は次回に回しますが、特定のエリアへ出店を集中的に進める力が日高屋は幸楽苑の3倍弱あることを意味しています。地域拡大と市場への浸透を同時並行に進める必要があるリテーラーが、継続的に把握すべき数字です。

【表】日高屋と幸楽苑の出店形態の違い

日高屋 幸楽苑
店舗数(2015.2時点) 356店舗 482店舗
出店済み都道府県数 5 25
出店済み市区町村数 108 290
10店以上の市区町村数 新宿区(20店舗)、大宮区(16店舗)、千代田区(12店舗)、豊島区(10店舗) 郡山市(11店舗)、いわき市(11店舗)、福島市(10店舗)
集中度(HI) 176.1 61.3

続きは明日のブログで。

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