昨日の続きのデンマーク語講座です。

Hygge(発音:ヒューゲ)

これはスカンディナビア独特の言葉で、温もり・心地よさなどの意味があります。それが転じて、友人や家族、親類を自宅に呼んでお茶やお酒を飲みながら共に時間を過ごす習慣を“Hygge”と呼びます。なぜそれがデンマーク独特のものなのか、最初はまったく分かりませんでした。

デンマークの冬は夜がとても長く、朝9時になってもまだ真っ暗で、ようやく薄っすらと空が明るくなってきたと思ったら、昼過ぎには太陽が沈んでしまいます。私はこの環境に慣れることができず、気が滅入り、何もする気力がなくなる日が続きました。困り果てて大学のカウンセラーやデンマーク人の友人にそのことを話すと、「冬の間、デンマーク人はみんな気が滅入っていますよ。あなたは正常ですよ」と明るく言われました。その後、その友人が自宅に呼んでくれて、それが自分にとって最初のHyggeでした。

デンマーク人の特徴として、「デンマーク人の心は氷で覆われていて、それが溶けたと思っても、翌日はまた氷で覆われている」という表現があります。なかなか他人と打ち解けないということを意味するそうで、実際、最初はなかなか友達ができませんでした。しかしその氷が完全に溶けると、大変親切で、温かい人達でした。 間接照明とロウソクの炎の下、暗く長い冬を楽しむかのようなHyggeの雰囲気を味わい、やっとその言葉の意味が分かりました。デンマーク到着から3ヶ月後のことで、これで長い冬を乗り切れると思ったものでした。Hyggeに因んで、最後はデンマークのあるデザートについて。

Rødgrød med fløde(発音:表記不可能)

ラズベリーを粥状に煮つめたものに生クリームをつけて食べるものですが、問題はその発音の難しさにあります。以下、お試しください。

最初の「r」はガラガラとうがいをするときの音に似ています。rの発音練習を何度もやると上あごの辺りが腫れてきます。3つ含まれている「ø」は、汚い表現で恐縮ですが、胃の中のものを吐き出すときのオェという音です。恥を捨てて思い切り発音しないと通じません。これまた3つある「d」。これは英語と異なり、舌の先を下の歯の裏につけて息を吐き出して発音します。外国人は何度も練習させられるため、なかなか食べさせてもらえない恐怖のデザートです。この難解な発音は、冬に気温がマイナス10℃くらいになり、寒さでくちびるが動かなくなるとありがたさ(?)を痛感します。

帰国が近づくころは夏至祭がありました。日本では夏至を祝う習慣はありませんが、冬とはうって変わって夜中の11時まで明るい、短い夏を楽しむデンマーク人の明るい表情が印象的でした。

と、まだまだお話したいこともございますが、今日はこの辺で。ありがとうございました(Tak skal du have!)。

だいぶ脱線しましたが、来週は、鳥貴族【証券コード3193】の積極的な出店計画についてコメントしたいと思います。