読んでいる本に関係している街なので行ってみたいという長男の希望もあり、自身も行ったことがない街なので、広島から電車に乗って呉に来ました。あとから気づきましたが、広島県呉市は“呉氏(くれし)”なるキャラクターに「呉に来てクレ~」等と言わせる街のPRにかなり力を入れています。

呉は旧軍港都市の4つに含まれ(ちなみに残り3つはどこでしょう?佐世保市、横須賀市、舞鶴市です。参考まで)、戦時中の全盛期には約50万人が居住していたそうです。

呉駅から『ゆめタウン呉』『呉市海事歴史資料館・大和ミュージアム』が、ここにしか行くなと言わんばかりに通路で結ばれており、駅改札を出て右折することで間違えることなく大和ミュージアムにたどり着くことができます。戦時中の日本のことは知っているようで知らないことが多いため、自身の勉強や子供達の教育の意味も込めて今年は広島に来たのですが、呉の街の歴史についても勉強になる資料が数多くありました。

軍港、海軍といえば海軍カレーです。潜水艦はくりゅうで隊員さんが食べているというカレーをいただくことができる海軍さんの麦酒館は呉駅を挟んで反対側、駅を出て右手に数分歩いた煉瓦造りの建物の1階です。人通りが少なく空いているかと思いきや、中は意外と混雑しています。お昼時は早めに行くことをオススメします。

さて、観光はここまでにしましょう。
呉は山と海に囲まれた閉鎖商圏と捉えることができます。かつて50万人都市でしたが現在は22万人です。仮にこの街に2店舗を出店するとしたらどう出店するか?ということを考えてみてください。

最優先ゾーンは『ゆめタウン呉』をはじめとする駅周辺の商業施設内でしょうが、その1店舗で呉市全体の需要を取り込むことが難しく、もう1店舗を出店するとした場合、どこを狙うべきか?こうしたシミュレーションをするのに呉市はうってつけの街のように思います。

駅の海と反対側の北側の領域は、かつて栄えていた街の名残が残っています。街を歩いているとシャッター通りが想像以上に広域に広がっていることが分かりますし、海軍関係者が利用したと思われる飲食店が集積する細い路地も多く残っています。

全体的に人通りは少ないのですが、営業している店舗が多く、人通りが多いゾーンがあります。マクドナルドの路面店があるゾーンもあるのです。そうした場所を、街全体を歩きながら確認するという訓練に呉のような街は相応しいように思います。

かつての50万人都市が、その後人口が激減した数少ない街で、それでも力は劣ったとはいえ、集客力を維持するゾーンとはどのような場所か?こうした知識は、人口が減少するエリアにおける戦略を考える上でも有意義なことと思われます。店舗開発担当の方は、ぜひ呉の街を歩いてみてください。

街おこしも、○○キャラを作って観光客を誘致するだけでなく、企業人向けのツアーを誘致するようなことを考えてみても良いように思いました。

夏休みも残りわずかになったところで、明日で最終回とします。広島に大型台風が近づいてきました。

呉シャッター通り

呉市マクドナルド

呉シャッター通り