昨日の質問を再掲します。

Q1.開業前から話題性があり、一度行って見たが、その後は一度も行っていない。
Q2.一度行ってみてから、その後に何回か行き、最近も利用した。

テナントとして入居するとした場合、Q1で名前があがる施設とQ2で名前があがる施設では、どちらが「安心して出店できる」良い施設だといえますか?

当然、Q2です。

Q1で名前があがる施設は、「一度来て終わり」と言う来場客の比率が高く、オープン景気が一巡すると急に人が引いてしまう性格の施設です。

逆にQ2は、いわゆるリピーターがついており、彼らが頻繁に利用するような施設です。テナントとして入居する場合、長期的に収益を期待できる施設は後者です。

今日のマーケティングの多くの教科書には、「単発的な取引を行うだけでなく、質の高い商品や優れたサービス、魅力的な価格を約束し、それを継続的に提供し続けることにより、顧客やその他のステークホルダーとの長期的なリレーションシップを築く必要がある」と書かれています。要は、一度利用してもらったら終わりではなく、一人のお客さんに繰り返し利用してもらうようにするべきだ、ということです。なぜか?それは繰り返し利用してくださる「優良顧客」が企業に安定的な収益をもたらすためです。新規の顧客を獲得するのと、既存の顧客を維持するのでは、前者の方が多くのコストがかかるものです。これは大型商業施設も同様でしょう。

『商業施設利用実態調査2015』では、各施設に「優良顧客」がどの程度ついているか、どの程度のお客さんが定着しているかといった観点から、利用客の実際の行動に関するデータをとり、その分析結果をもとに大型商業施設を比較しています。

続きは明日のブログで。