『イオンモール多摩平の森』に関する消費者行動データ速報

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。ここでは、2015年から調査を開始した新しい商業施設について、調査結果の速報をご報告します。

2015年から調査を開始した新しい商業施設『イオンモール多摩平の森』は、2015年6月の調査実施時点では、開業後半年が経過していました。詳しくはレポート「商業施設利用実態調査2015【イオンモール多摩平の森速報編】」に掲載しましたが、ここでは調査結果の概要をご紹介します。

首都圏のイオンモールでは珍しい「JR中央線豊田駅徒歩3分」の駅前立地ということで注目されるかと考え、今年から調査対象に追加した『イオンモール多摩平の森』ですが、1都3県での認知度は5%未満にとどまりました。なお、東京都だけで見れば、11.2%の認知度があります。

『イオンモール多摩平の森』の利用経験者は、全495サンプル中10人しか出現しませんでした。来年も分析に耐えるサンプル数は確保できそうにないと判断し、今後の調査対象からは『イオンモール多摩平の森』は外す予定です。

レポートの『イオンモール多摩平の森』に関するデータは、サンプル数僅少につき、参考程度ということで、ご覧いただければと思います。

なお、今回の調査対象施設以外でよく利用する商業施設を尋ねたところ、「イオンモール多摩平の森」利用経験者(全10名)のうち3名が「イオンモール日の出」をよく利用すると答えており、ここでもイオン同士の競合があることが感じられます。

以上です。ご自身の印象と比べて、いかがでしたか?

これまでの大型商業施設は、施設の規模を大型化し、そのテナントミックスにより魅力を高めれば顧客を遠方からでも集めることができるという考え方に基づき、立地を主体的に創造してきました。

しかし、この首都圏の大型商業施設の利用実態調査を見ると、限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進めば、単に施設の規模が大きく、希少性のあるテナントがあるという理由だけで、広域からの集客、更には、顧客の常連化が達成できるとは限らないということが考察できます。

また、開業前はもちろんですが、開業後も新たな情報を継続的に発信していくことが、施設そのものの認知度を維持・向上するために必要であることが考察できます。消費者は記憶した事柄を容易に忘却するものであり、何の刺激もなければ認知度は低下します。周囲に新たな商業施設が次々と開業すれば猶更です。

商業施設利用実態調査2015【イオンモール多摩平の森速報編】では、より詳しいデータを、全体レポートの分析結果とともにご覧いただけます。福徳社ストアにて販売を開始しました。

 

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