新年にちなんで、ショッピングセンターの鮮度・フレッシュネスも併せて分析すると?

当ブログでは、昨年末ご紹介した独自の「SC“断トツ度”指標」とあわせてSCの“鮮度”を加味することで、ショッピングセンターの瞬間的な魅力度や勢いのようなものを含んだ“勝ち組(仮称)ショッピングセンター”を定期的に示してみます。

定期的に示す理由は、時間の経過や増床・SC大規模なリニューアルなどの施策の実施にともない、いずれのショッピングセンターも鮮度が変化し、それに伴い勝ち組ショッピングセンターは入れ替わることが考えられるためです。

開業して間もないショッピングセンターは新しいため、鮮度・フレッシュネスは当然高いです。しかし、新規に開業したものだけでなく、既存のショッピングセンターで増床や大規模なリニューアルが行われた場合も、その施設の鮮度・フレッシュネスは高まると考えてよいでしょう。

断トツ度が高く、かつ、開業してから間もないショッピングセンターは、勝ち組ショッピングセンターといえます。

2024年開業の「ゆめが丘ソラトス」や2023年開業の「ららぽーと門真、三井アウトレットパーク大阪門真」がそれに該当します。

次に、既存のショッピングセンターで増床や大規模なリニューアルが行われたものを確認してみます。ありがたいことに、商業施設新聞(2024年12月17日)には、昨年(2024年)に大規模リニューアルをした主な商業施設(18施設)がまとめられています。これを参照し、18施設の断トツ度を確認しました。

表は「ゆめが丘ソラトス」と「ららぽーと門真、三井アウトレットパーク大阪門真」、並びに18施設の断トツ度に関する数値を示しています。

2024年に大規模リニューアルをした主な商業施設(18施設)

【注】イオンレイクタウンkaze・moriとアトレ亀有の売場面積は増床前の数字です。

もともと店舗面積が国内最大級である「イオンレイクタウンkaze・mori」が増床し、「イオンモール幕張新都心」では改装が行われ、ともに鮮度を上昇させました。イオンレイクタウンkaze・moriは店舗面積シェアが42.9%、第2位との面積比は9.0倍もあり、イオンモール幕張新都心は店舗面積シェアが31.4%、第2位との面積比は3.0倍あり、文句なく勝ち組ショッピングセンターです。

タカシマヤゲートタワーモール」も第2位との面積比は1.7倍であるものの、店舗面積は120,000㎡超もあり、店舗面積シェアが44.5%と非常に高いため、勝ち組に含めることができます。

店舗面積シェアが25%を超え、かつ、第2位との面積比が2.0倍を超えるものには、「LICOPA東大和」と「くずはモール」の2件が該当します。

LICOPA東大和」は店舗面積が15,851㎡と規模だけ見ると地味ですが、店舗面積シェアは30%を超え、第2位との面積比は2.5倍と、東大和市内では存在感の大きい施設であると考えられ、鮮度も上昇したため勝ち組に含めることができます。

現時点で断トツ度も鮮度も高いトップSC7選

以上の考え方で分類すると、2025年年初での勝ち組ショッピングセンターは、以下の7施設となりました。

  • ゆめが丘ソラトス
  • ららぽーと門真、三井アウトレットパーク大阪門真
  • イオンレイクタウンkaze・mori
  • イオンモール幕張新都心
  • タカシマヤゲートタワーモール
  • LICOPA東大和
  • くずはモール

ちなみに、“鮮度”の話はショッピングセンターだけではく、テナント企業の個々の店舗についても当てはまります。

出店したての店舗は新しく、鮮度・フレッシュネスが高いが、時間が経つと古くなり、あまりにも長い間、修繕や改装等を怠っていると、古びたイメージを帯びるものです。周囲に新しい競合店舗が出店すれば、余計に古く見えるようになります。古く見えるだけでなく、最悪の場合、存在することに気付かれなくなる恐れもあります。このあたりは別の機会でご説明します。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。