『マークイズみなとみらい』(MARK IS みなとみらい)の開業直後利用者のうち、82.9%がその後リピート利用したと回答

「調査結果報告」シリーズでは、(株)福徳社の独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』レポートから、分析担当者が注目したデータをピックアップしてお届けします。

大型商業施設では、開業当初の話題作りに成功し、グランドオープンをめがけた顧客が殺到し、その長い行列や混雑する店内の様子がメディアを通じて大々的に報道されることも少なくありません。しかし、そうした大型商業施設が、開業後のいわゆる「オープン景気」が一巡した後に、どの程度利用者とのリレーションシップを構築できているか、利用者の日常的な購買行動の中に定着しているかについては、十分な検証がなされていません。

新しい大型商業施設にテナントとして入居する場合、繰り返しその商業施設を訪れるリピーター比率がどう推移していくのかは、長期的に収益を期待できるかどうかを判断するにあたり、気になるところではないでしょうか。

そこで、『商業施設利用実態調査』(2014年6月中旬・2015年6月中旬実施)では、1都3県の消費者に対し、開業時に話題性が高かったと(株)福徳社が判断した11の商業施設(キラリナ京王吉祥寺イケア立川イオンモール幕張新都心マークイズみなとみらい酒々井プレミアムアウトレットモールKITTE三井アウトレットパーク木更津ダイバーシティ東京渋谷ヒカリエ東京ソラマチ東京スカイツリータウンビックロ)について、開業後1年以上が経過した現状における利用者像を分析しました。

分析項目の一つとして、各商業施設を「開業直後(開業後3か月以内)に利用した」と答えた回答者のうち、その商業施設を2回以上利用した人の割合を、クロス集計で求めました。

その割合が最も高かったのは『マークイズみなとみらい』(2013年6月)で、開業直後利用者の82.9%がその後リピートしているという結果でした。

また、『渋谷ヒカリエ』(2012年4月開業)も高い数字になりました。

2施設の共通点としては、乗降客数の多い鉄道の駅に直結していることと、他の魅力ある商業施設に近接していることが挙げられそうです。

ただし、利用者のリピート回数は開業後の経過時間が長くなるほど高まることが考えられますので、開業から日の浅い商業施設の数字は、まだこれから伸びるかもしれません。その点、『キラリナ京王吉祥寺』の今後が注目されます。

次回の「調査結果報告」では、商圏の広がりの分析結果をお届けします。上記の11施設のうち、商圏が広く、広域からむらなく集客しているといえる施設はどれだと思われますか?