消費者調査『商業施設利用実態調査2016』の結果より、首都圏の新しい商業施設に「行ったことがある」と答えた人の人数、すなわち、利用経験者の“頭数”のランキングをお届けします。出現した利用経験者の数が多かった順に、調査対象商業施設を並べてみましょう。
『商業施設利用実態調査2016』調査対象商業施設(開業日順)
● 三井アウトレットパーク木更津 ● ダイバーシティ東京 プラザ ● 渋谷ヒカリエ ● 東京ソラマチ東京スカイツリータウン ● ビックロ ● KITTE ● 酒々井プレミアム・アウトレット ● MARK IS みなとみらい ● イオンモール幕張新都心 ● イケア立川 ● ららテラス武蔵小杉 ● キラリナ京王吉祥寺 ● 大宮ラクーン ● イオンモール木更津 ● グランツリー武蔵小杉 ● 原宿ALTA ● ららぽーと富士見 ● 二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット ● コクーンシティ ● ららぽーと海老名 ● 渋谷モディ ● ららぽーと立川立飛
(調査年: ●2014/2015/2016 ●2015/2016 ●2016)
1都3県在住の男女20歳~69歳、計491名のうち、調査対象商業施設に「行ったことがある」と答えた人の人数(=利用経験者数)は、『渋谷ヒカリエ』の197人から、『イオンモール木更津』の23名まで、大きな開きがありました。
このデータは商業施設の顧客の「ボリューム」をあらわします。『商業施設利用実態調査2016』では、利用経験者数の規模ごとに「大規模」「中規模」「小規模」と調査対象商業施設を分類し、様々な分析を行いました。
このデータを見て気づくことはいろいろとあります。例えば、商業施設の“箱”が大規模な割には顧客のボリュームが少ないな、と感じたのは、『グランツリー武蔵小杉』や『イオンモール木更津』です。
“セブン&アイグループの旗艦店”として地域最大の店舗面積を備える『グランツリー武蔵小杉』の利用経験者数は、昨年から2割伸びてはいるものの、同じ神奈川県にある『MARK IS みなとみらい』の半分位にとどまっています。お隣の『ららテラス武蔵小杉』と比べても、店舗面積は4~5倍あるのに、利用経験者数は1.35倍にすぎません。数字だけ見ると、少々“閑散”とした印象を受けます。
『イオンモール木更津』はその『グランツリー武蔵小杉』の2倍以上店舗面積が大きい巨大ショッピングセンターですが、利用経験者数は『グランツリー武蔵小杉』の半分ちょっとしか出現しませんでした。お隣の『三井アウトレットパーク木更津』と比べても、店舗面積は2倍以上あるのに、利用経験者数は4分の1ほどにとどまります。数字だけ見ると、かなり“閑散”とした印象を受けます。この商業施設については他にもいろいろと心配な数字がありましたが、詳しくはまた『イオンモール木更津』の結果速報でお話します。
新しい首都圏大型商業施設の顧客ボリュームランキング2016【1都3県】
『商業施設利用実態調査2016』調査対象商業施設~1都3県での利用経験者数が多かった順~
<利用経験者のボリューム:大規模>
- 【1位】渋谷ヒカリエ
- 【2位】東京ソラマチ東京スカイツリータウン
<利用経験者のボリューム:中規模>
- 【3位】ダイバーシティ東京 プラザ
- 【4位】ビックロ
- 【5位】KITTE
- 【6位】イオンモール幕張新都心
- 【7位】三井アウトレットパーク木更津
- 【8位】MARK IS みなとみらい
- 【9位】酒々井プレミアム・アウトレット
- 【10位】コクーンシティ
- 【11位】二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット
<利用経験者のボリューム:小規模>
- 【12位】グランツリー武蔵小杉
- 【13位】ららぽーと海老名
- 【14位】渋谷モディ
- 【14位】ららぽーと富士見
- 【15位】ららテラス武蔵小杉
- 【15位】大宮ラクーン
- 【16位】キラリナ京王吉祥寺
- 【16位】イケア立川
- 【17位】ららぽーと立川立飛
- 【18位】原宿ALTA
- 【19位】イオンモール木更津
以上です。ご自身のイメージと比べて、いかがでしたか?
次は、顧客定着度のランキングをお届けします。新しい大型商業施設では、開業当初の話題作りに成功し、グランドオープンをめがけた顧客が殺到し、その長い行列や混雑する店内の様子がメディアを通じて大々的に報道されることも少なくありません。しかし、そうした大型商業施設が、開業後のいわゆる「オープン景気」が一巡した後に、どの程度利用者とのリレーションシップを構築できているか、利用者の日常的な購買行動の中に定着しているかについては、十分な検証がなされていません。そこで、本リサーチでは、顧客定着率・顧客定着度の分析をしてみました。続きは次回のブログで。