昨日の続きです。商業施設を定点観測する際には、何らかの“視点”が必要です。前回の繰り返しになりますが、不用意に現場に行ってしまうと、全体的な混雑具合や客層、どんな目新しいテナントが入っていたか、どのテナントが一番集客していたか、といった、誰でも気づくことにどうしても目が行きがちで、大した発見もなく終わる可能性が高いのです。そうならないために、ということで、施設の健康状態を確認するヒントをご参考までに共有させていただきます。

1つ目は、これは以前お話したかもしれませんが、“フロアガイドの最終更新日”です(多くの場合、フロアガイド表4の右下に小さいフォントで記載されています)。この日付が最近であればるほど“危険信号”と判断します。なぜならそれは、施設を運営する上で、お客様へのコミュニケーションにつき何らかの修正を余儀なくされたことを物語っているためです。更新頻度が高ければ高いほど、“裏は大変なんだな”と考えて良いと思います。

確認事項の2つ目は、1つ目に関連して、“フロアガイドの更新がいかなる理由によるものか?”です。具体的には、“入れ替わったテナントはどこか?”“現状、閉まっているテナントはどこか?”“セールを行っている店はどこか?”を確認し、“そうしたテナントの共通点は何か?”などを考えます。“半年後に「定点観測」に来たらこのテナントは無いな(入れ替わっているな)”と思ったとしたら、お茶を飲んだり、食事したりしながら、手帳等に記録しておきましょう。それが次回の訪店の際の“仮説”になりますし、そのテナントには不謹慎な話ですが、万が一その仮説が当たっていたら、ご自身には何らかの力がついていると考えてよいと思います。

“この商業施設で成り立たなかったテナントはどこか?それはなぜか?”に関する知見こそが、今後の自社の出店を失敗させない上では重要な意味を持つと思われます。他社の失敗から多くを学ぶ必要があります。

消費者が余暇や買い物を楽しむ場所を、こんな“暗い”思考回路で訪れなければないのか?と思われるかもしれませんが、自社の将来を担う店舗開発に関わる場合には、それが当然なのではないかと思われます。

以上の視点で、神奈川県のららぽーと2店(ららぽーと海老名ららぽーと湘南平塚)の定点観測を行いましたので、その結果を共有させていただきます。続きは来週月曜日のブログで。