『ららぽーと富士見』に関する消費者行動データ(速報)

福徳社では、開業時に話題性の高かった首都圏大型商業施設につき、開業後1年以上を経過した現時点でどの程度消費者の日常的購買行動に定着したかを消費者行動から検証する独自リサーチ『商業施設利用実態調査2015』を実施しました。ここでは、2015年から調査を開始した新しい商業施設について、調査結果の速報をご報告します。

2015年から調査を開始した新しい商業施設『ららぽーと富士見』は、2015年6月調査実施時点では、開業後2か月が経過したばかりでした。レポート「商業施設利用実態調査2015【ららぽーと富士見速報編】」では、リサーチ結果データの表やグラフとともに詳しく解説していますが、ここでは概要をご紹介します。

『ららぽーと富士見』は、埼玉県での認知度は高いものの1都3県全体での認知度は低く、来客の8割近くが埼玉県住民であるなどの点から、大型商業施設に期待される広域からの集客が十分にできておらず、商圏の広がりが限定的になっている可能性が考えられます。限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進む現在、『三井アウトレットパーク木更津』の個別レポートでも書いたように、今後は大型商業施設でも1度来た人に2度目、3度目とリピートしてもらうことの重要性が増してくるでしょう。そのためにも、顧客満足度が高く維持されるよう継続的にウォッチすべきと考えます。

リサーチ結果(速報)

  • 認知度は、1都3県では19%にとどまるが、埼玉県だけで見ると46.8%の消費者に認知されている。
  • 同様に、利用経験率も、1都3県では4.6%にとどまるが、埼玉県だけで見ると14.3%の消費者が既に訪れている。
  • 出現した利用経験者23人中9人が、既に2回以上利用している。逆に23人中14人はまだリピートしていない。
  • 今後利用意向では、出現した利用経験者23人中6人が、今後「利用したくない」「あまり利用したくない」と答えている点が気になる。
  • 利用経験者のプロフィールを見ると、年代では30~40代が多く、既婚者の比率が高い。職業では、専門職と、専業主婦の占める割合が回答者全体より高い。
  • 来客の78.3%が埼玉県から来ている。神奈川県、千葉県からの来客の比率は5%未満である。
  • 「ららぽーと富士見」利用経験者のうち、他の調査対象施設の利用経験があると答えた人(併用率)の概要は以下の通りである。
    • 広域から集客している「渋谷ヒカリエ」「東京ソラマチ東京スカイツリータウン」「ダイバーシティ東京」利用経験者が多い点は、他の商業施設と同様である。
    • ターミナル駅近隣に立地する「ビックロ」「KITTE」の利用経験者も多い。
    • 「イケア立川」併用者が比較的多く出現した。埼玉県南西部からは最も行きやすいイケアだからかもしれない。
    • 今回の調査対象施設以外でよく利用する商業施設を尋ねたところ、「ららぽーと富士見」利用経験者(全23人)の2割強にあたる5名が「三井アウトレットパーク入間」をよく利用すると答えた。

以上です。ご自身の印象と比べて、いかがでしたか?

これまでの大型商業施設は、施設の規模を大型化し、そのテナントミックスにより魅力を高めれば顧客を遠方からでも集めることができるという考え方に基づき、立地を主体的に創造してきました。

しかし、この首都圏の大型商業施設の利用実態調査を見ると、限られた領域に複数の大型商業施設の開発が進めば、単に施設の規模が大きく、希少性のあるテナントがあるという理由だけで、広域からの集客、更には、顧客の常連化が達成できるとは限らないということが考察できます。

また、開業前はもちろんですが、開業後も新たな情報を継続的に発信していくことが、施設そのものの認知度を維持・向上するために必要であることが考察できます。消費者は記憶した事柄を容易に忘却するものであり、何の刺激もなければ認知度は低下します。周囲に新たな商業施設が次々と開業すれば猶更です。

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