フライング タイガー コペンハーゲンとSφSTRENE GRENEの一号店を比較する

「フライングタイガーコペンハーゲン」と「SφSTRENE GRENE」(ソストレーネ・グレーネ)の一号店を比較してみましょう。

フライング タイガー コペンハーゲンは、2012年6月に大阪・心斎橋路面に一号店を出店したのに対し、SφSTRENE GRENE(ソストレーネ・グレーネ)の一号店は、2013年12月に千葉県のイオンモール幕張新都心という特定の商業施設内でした。

一号店開業に伴い、全国的にブランドの認知度を高める上で、大阪府と千葉県はどう評価されるべきでしょう?

人口動態等をみても日本は東京一極集中の国であり、その傾向が最近は加速しています。そう考えると、両社ともベストではなかったと考えられます。

フライング タイガー コペンハーゲンが東京の表参道地区に二号店を開業するまでに1年以上を要したことと、SφSTRENE GRENE(ソストレーネ・グレーネ)が1年半以上経っても東京に店舗が存在しないことは、東京以外の都市で一号店を開業したブランドが、東京に出店機会を提供するプレーヤーに何かしらのネガティブな印象や感情を与えてしまったためと考えられなくもありません。

では、路面と特定の施設内の違いはどうでしょう?

路面と特定の施設内の違いは、その公共性の違いにあるといえます。路面は公共性が高く、不特定多数の消費者を集客することができる一方、特定の施設は、施設利用客に消費者が限定されるために、それが低いのです。

メディア等で一号店ブランドがダイレクトに取り上げられる可能性も路面の方が高い一方、特定の施設内の一号店ブランドは、施設の話題性を高めることが期待されているものの、施設そのものの名称を差し置いて、そのブランド名が単独で優先的に報じられることはまずないでしょう。

フライング タイガー コペンハーゲンは、結果的に二号店開店までに時間がかかったことでブランドへの待望感が心斎橋の店舗に行けない消費者の間で高まり、一号店と類似した価値が生まれると同時に、路面へ出店することにより、東京で新しい行列の“ニュース”を作ることができた。そしてその後、急速に店舗網を全国的な拡大を進めることができた。

フライングタイガーコペンハーゲンとSφSTRENE GRENE(ソストレーネ・グレーネ)の間に差が生じている原因は、以上のように説明することもできます。

明日は、別の北欧から来た雑貨店ブランドをとりあげます。