Press "Enter" to skip to content

学習塾・予備校多店舗化の危険な兆候5|『臨海セミナー』出店拡大の軌跡(2010年代)

いよいよ大詰めで、臨海セミナー出店拡大の、2010年から2020年までの軌跡です。

前回同様に2010年からの出店数を表にしました。2020年は7月時点の情報です。

臨海セミナーの出店
クリックして拡大

驚くことに出店の高速化がさらに進み、年間20教室を超える年も珍しくなくなっていることが分かります。2009年に再開された中学受験科の開設が進み、そして5年ぶりに大学受験科の開設も再開されました。拠点を増やし、そこに新たな業態を追加的に開設することで、屋号(ブランド)の数は急増し400を超えています。

なお、繰り返しになりますが、セレクトなどの新たな業態も1店舗としてカウントしているため、実際の教室数とは異なります。実際の教室数は2020年12月15日にカウントした結果は237でした。

教室展開とは直接関係しませんが、2011年には本部が移転したとあり、現在の横浜市神奈川区に移転したものと思われます。横浜方面に行った際に、電車の中から本社ビルを“見上げた”ことを思い出しました。また、2014年には社名変更があり、社名から“セミナー”が抜けました。何らかの改革、方針転換があったことが想像できます。

社名が株式会社臨海となり、出店について大きな動きがあったのは2017年のことでした。1都3県の次に新たな市場として選ばれたのは、なんと“大阪府”でした。

大阪府内に限った出店状況は次の通りです。

  • 2017年 7月 緑地公園  12月 JR茨木駅
  • 2018年 3月 江坂     7月   箕面    12月 JR高槻駅
  • 2019年 7月 石橋    12月 摂津富田
  • 2020年 3月 阪急茨木  7月  池田

主要な鉄道沿線(御堂筋線、JR京都線など)狙いは従来通りですが、興味深いのは“臨海”なのに大阪の北部、つまり内陸部で教室網が拡大している点です。(ここは笑うところやで!)

関東・関西の2極展開というと景気が良い話のように聴こえますが、店舗網の広域化、しかも地盤となる市場からはるかに離れた市場へ展開する場合、教育サービス業では業績が良い企業を見つけることが難しく危険視せざるを得ません。

しかし、出店はもう実際にされてしまい、一度進出してしまったからには、出店し続けるしかないのだ、という声が聞こえてきそうな印象を受けます。

ここまで、臨海セミナーがこの30年弱の間に急激に教室数を増やしつつ、店舗網が首都圏だけでなく関西にまで拡大した軌跡を振り返ってきました。その傾向は最近になればなるほど勢いを増し、本社もご立派になられ、社名も変更されるなど、組織的な変化も著しい様子をうかがうことができました。

次回は、2000年以降の売上高の推移との関連から読み取れることを考えてみたいと思います。約230校あったとして、全社売上はいくらだったか?1校舎あたりの平均的な年商は?等々を掘り下げてみたいと思います。

続きは次回のブログで。

More from 学習塾・予備校More posts in 学習塾・予備校 »
PAGE TOP