出店候補地域の特性を一瞬で把握できる無料ツール

当ブログでは、店舗開発者のためのタダでできる市場調査の方法を様々ご紹介していますが、今回は、店舗や物件の周辺がどういうところなのか、その地域のエリア特性を瞬時に知る方法をご紹介します。

出店候補地はどのような地域なのか、例えば、日常的な消費が行われるエリアなのか、あるいは特別な消費が行われるエリアなのか?周辺に戸建て住宅が多いエリアなのか、あるいは、高層住宅や集合住宅が多いエリアなのか?こういったことを考えることがあると思います。

こういった、出店候補地がどのようなエリアなのか?ということを、一瞬で把握できる無料ツールがあります。国土交通省の用途地域データを地図上に見やすく表現した、「用途地域マップ」です。検索すると色々なものが出てきますが、私が一番便利だと思ったのはこちらです。

地図が色分けられていて、その上にいろいろな用語が並んでいます。これは「用途地域」と言います。宅建を勉強された方などは、都市計画法のところで覚えたアレか、と思い出される方も多いと思います。そうです、アレです。

用途地域とは?

用途地域とは何か、という話には、ここではあまり深入りすべきではないと思いますが、用途地域マップを有効に活用するには、イメージだけでも持っておくと読みやすくなります。

そこで、簡単に確認しますと、これは都市計画法が定めているものです。用途とは、土地の使い道です。住居として用いるとか、商業、工業などの用途があります。出店に関係するとなりますと、住居とか商業というものに注目することが多いと思います。

この用途地域というのは、13種類に分かれています。土地がエリア分けされていて、それぞれ用途が指定されていますが、その用途の種類が13種類あります。

用途によって、建物の高さや規模、出店できる業種などの規制があります。出店という言葉では分かれていませんが、開設できる業種や施設などの規制があります。

それぞれの用途地域のイメージ

用途地域マップでは、地図上に、その場所がどの用途なのかが表示され、一覧できます。ですから、この用途地域の特徴をそれぞれ把握しておけば、これは非常に便利なものとなります。

日常的な消費が行われる場所なのか、特別な消費が行われる場所なのか?を知りたい場合に着目するのは「近隣商業地域」と「商業地域」です。日常的な消費が行われる場所は「近隣商業地域」と言います。特別な消費が行われる、比較的広域から人がワッと集まる繁華街的な要素が強いところは「商業地域」と言います。同じ商業という言葉が入りますが、ちょっとニュアンスが異なります。

それから、住宅については、戸建てが多い地域と、高層住宅の多い地域がありますね。これも用途地域が異なります。

戸建てが多い地域、これは第一種・第二種低層住居専用地域と言います。低層住居専用なので、高さの高い建物は建てられません。

逆に高層住宅が多い場所は、第一種第二種中高層住居専用地域というものがあり、ここは中高層住居専用なので、高層マンションが密集している所と考えることができます。必ず密集しているかというと、その保障はないんですが、密集させることができる地域なわけです。

それから、住宅的な要素が強いところなんですけども、比較的多くの業種が出店できる、そういう住宅が第一種第二種住居地域と名付けられています。

店舗開発、出店で注目するところというのは、この8つの用途地域なのではないかと思います。

比較的新しいものがもう一つあるのですが、農地と低層住宅が組み合わさった地域で「田園住居地域」と言います。かなり前に宅建を取られた方は、出て来なかったのではないかと思いますが、田園住居地域というものも、今、指定されることがあるそうです。

全体で13の用途地域があるうち、ここまでで9個網羅しました。残りは工業関係です。工業専用地域ですとか、準工業地域とか。こういう工業関係のところが残りの4つです。

実際に活用してみよう

用途地域マップで、例えば、吉祥寺を中心とした中央線の沿線を表示してみます。真ん中に吉祥寺の駅があり、その周辺は「商業」と書いてあって、赤色で表示されています。このマップでは、赤色を探していくと商業地です。それに対して、その周辺に「近隣商業」というものがピンク色で表示されています。駅の周辺、商業地域の周辺や、道路沿いに細く伸びていることも多いのが近隣商業地域です。

ですから、最初は地図をバッと見て、赤やピンク色のところを探していくことが多いのではないかと思います。

また、地図上の住居地域をクリックすると、その地域の建ぺい率と容積率が把握できます。

それから、緑色で表示されるエリアは、第一種低層住居専用の地域です。戸建ての住宅が並ぶ閑静な住宅街のような雰囲気のところだろうな、と分かるわけです。

このような具合に、この用途地域マップというものは非常に便利です。ぜひ活用なさってみてください

弊社のYouTubeチャンネルに、ミニ講座動画もアップしました。実際の操作画面を表示して解説しましたので、使ってみようと思われた方は、ぜひご覧ください。