周辺のTGや動線、一等立地、競争相手(競合)の立地が把握できたら、それらと比較することにより物件の立地を評価します。店前を人が通行する必然性は高いのか、予定する営業時間のあいだに何人の人が店前を通過するのかを冷静に評価しましょう。
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出店候補物件の最寄り駅に着いたら、いきなり地図を見ながら物件の場所へ向かってはいけません。物件の立地や構造を確認する前に周辺環境の把握に十分な時間をかける必要があります。実際に、企業の店舗開発担当者は、出店候補地の周辺の様子について、平日と休日の違い、1日のうちの時間帯による違いまで確認します。
実際売上が予測を上回れば問題がないという考え方だと、売上予測を低めにしておけば問題は起こらないことになります。市場ポテンシャルや競争環境から考えて、想定を上回る需要が存在した場合、店舗はキャパシティー・オーバーとなります。売上予測は低めに外した方がより深刻な問題を引き起こします。
新店の売上予測に関する質問です。① 予測売上>実際の売上/② 予測売上<実際の売上。どちらがより深刻な問題だと思いますか?
原宿・表参道に並ぶ“露店”を“一発屋”で終わらせな…
「良い立地」の定義は場合により異なる 前回の続きで…
出店は集積するべきか?分散するべきか? 先日まで、…
昨日までの話に、「商圏の分断」や「良い立地とは?」…
東京都の69%に比べ、鳥取県の電車輸送機関分担率は3.3%。自動車はなんと96.7%です。このようなマーケットは、全国チェーンにとって戦いにくい。一方「全国チェーンが戦いにくいマーケット」は、裏を返せば、個人で開業をお考えの方にとってはチャンスがいっぱいのマーケットなのです。
「マーケットによって駅の日常的である度合がどのくらい異なるか」を説明するのに便利な統計数値「旅客輸送における輸送機関分担率」をご紹介。人を運ぶための旅客輸送量の総数の輸送機関(バス・自家用車・航空機・鉄道・船)ごとの割合を示し、国土交通省が公表しています。
「自家用車が無くては生活できない人々中心に形成されるマーケット」は地方都市に多く見られますが、駅の位置づけは?単に人口が少ないだけでなく、駅を必要とする人の割合が小さいことも示す数字を挙げます。鳥取市民にとって駅は日常的な場所ではない点が都市部とは大きく異なります。
全国チェーンが駅ナカや駅付近に出店したがるのは、老若男女を問わず不特定多数の人々を集める力があるためです。全国チェーンは都市部の感覚で地方への出店計画を考えがちですが、「自家用車が無くては生活できない人々中心に形成されるマーケット」ではその感覚は当てはまりません。
スターバックスが最後の未出店の都道府県である鳥取県に初出店したようですね。最後の花火を上げた感がありますが、スターバックスのような全国チェーンが戦いにくいマーケットについてのお話です。個人で開業をお考えの方も、参考にしてください。
白金台のスーパーマーケットの配置から、こういった立地の評価を考え直してみるのは有意義と思われます。これまでの立地判断では集客力ある施設近くが良い立地というものが多いですが、状況によっては店前通行量が多くても意外とお客さんをキャッチできないケースもあります。
後背地とは、文字通り店舗の背後にある地域、商売で言えば商圏のことです。マルエツ、いなげや、コンビニ(セブンイレブン)の後背地には、住宅が密集していますが、プラチナ ドン・キホーテの後背地には、オフィスビルやお寺などが多いことにまず気が付きます。
白金台駅周辺のスーパーマーケットの立地です。プラチナ ドン・キホーテ白金台店は、東急ストアが撤退した物件にオープンしたわけですが、現地を見て、東急ストアが撤退した訳が分かったのです。
住宅として使われている面積は想像以上に小さく、しかもある領域に偏在していることが分かります。買い物と関連しにくい目的で利用される施設が周囲に多いことが分かります。白金台は徒歩客を相手に商売をするのは大変な地域であると考えるべきでしょう。
イメージが良い=商売に適している?~「プラチナ ド…
商圏が分断される要因として、これまでに、3つのものを挙げてきました。河川、線路、大きな通りです。最後の要因は競合店です。もし近隣に競争相手の店舗が出店してきたら、円形商圏内人口に対して自店舗が実際にカバーできる人口が少なくなることを意味します。
オフィス街は商圏が想像以上に狭いので注意が必要です。会社員は移動にそれほど時間をかけられないためです。オフィス街は商圏が狭いほかに、特定の時間に集中する需要を狙った競争企業が多く、クイックサービスが特に要求される、土日祝日は売上が期待できない、などの特徴があります。
8:30AM、オフィス街の地下鉄駅真上の物件前を大勢の勤め人が通行しています。駅を中心とした半径500m圏内昼間人口は70,000人を超えています。手堅い立地のようですが実際どうでしょう?物件周辺の写真を見て、どう立地判断すべきか考えてみましょう。
駅前に物件があります。商圏と想定される範囲内に人口は多く、河川も流れていないことを確認しました。次は何を確認しますか?通常の駅は複数の出入口があります。線路があると商圏は分断される可能性が高く、線路をはさんだ駅の反対側を物件のある側と同等に考えるのは危険です。
商圏となり得る場所でもお客さんを呼べないことがあります。距離に関わらずあなたの店舗に行きにくいと感じてしまうことがあります。商圏は分断されることがあり、分断された後の状況をよく把握しておかないと、見込み客数を見誤り開業後に悲惨な事態を招くことになります。
商圏の大きさは?という質問に対し、商圏が円形との前提であれば単純で分かりやすいですが、実際には300m先からお客さんが来る場合もあれば、200m先なのにほとんど来てくれない場合も。なぜでしょう?距離で決まることはいくつか条件が揃わないと期待できないのです。
「行き先」の反意語は何でしょう?「来し方」だそうです。読み方は「きしかた」「こしかた」。それが店舗と何の関係があるの?ですが、では商圏とは何ですか?店舗の商圏を詳しく調べたいときは、お客様に来し方を尋ねて地図上にプロットしてみてください。
チェーン店の場合、ある市場で何店舗を出店できるかが議論されることがあります。この場合の市場は新宿、池袋などの駅中心であったり、○○市、○○区などの自治体単位の市場であったりとスケールは様々ですが、考え方の基本は同じです。出店可能な店舗数は3段階で求めます。
短期的な変動を除去した12ヶ月移動平均を使います。近くに自社店舗が出店した場合のカニバリの発生の有無を分析する際も、12か月移動平均を用います。なぜなら自社店舗の出店は「競合店舗数の増加」を意味し、それは要因Aに含まれるためです。次に平均値の差の検定をします。
カニバリを考えるときにチェックすべきことは、①その市場の市場規模(昼夜間人口、商業販売額など)②2つの店舗の間の距離③2つの店舗のサイズ④2つの店舗の立地、の4点です。それぞれに考慮すべき項目を組み合わせると、カニバリの強度は16ランクに分かれます。
店舗の売上は店舗ごとに異なりますが、それはなぜか?店舗の売上を規定する要因は何か?ということを考えてみましょう。また、カニバリは、客観的な方法で、具体的に何%落ちるというところまで予測がなされるべきものです。その方法を述べたいと思います。
既存店の近くに新店舗を開店しようとする際、必ずといって良いほど議論されるカニバリゼーション。直訳すると「共食いする」という意味で、同じ会社の複数店舗が顧客や売上を食い合う状況を意味する用語として使われています。これは実態がよくわかっておらず厄介なものです。