前回から、ある地域に着目して、そこで様々な業態がどのように出店しているか、出店競争の局地戦の現状を紹介しています。
今回はランダムに“相模原市”に注目しています。国道16号が通過する、人口が70万人を超える大きな街ですが、集客の核となる場所が明確とは言い難く、なかなか攻めにくい市場であるため、研究に値すると思われます。コロナ後の社会を考えると、こうした市場をどう攻めるかを考えておくことは有意義なことです。
とりあげる業種は“学習塾”です。相模原市内の3つの区の学習塾総店舗数は、中央区69件、南区59件、緑区42件の合計170件として進めます。
市区別の店舗数(教室数)だけでは、学習塾のように商圏が狭いことの多い業態の場合、まだ解像度が低いので、顕微鏡の倍率を上げるように、まずは“相模原市中央区”の中の地区表示別の店舗数を調べてみました。全ての地区表示を網羅できていませんが、現時点での結果は下の表の通りです。
『臨海セミナー』をはじめとする大手の塾は横浜線の相模原駅をはじめとする主要駅の周辺に集中しています。相模原駅の北側には広大な米軍施設が広がり、南側は1kmを行かないうちに国道16号線にぶつかります。その結果、横浜線と国道16号の間の地域に出店が集中しています。約10件の学習塾が出店する激戦区は、他に相模線の上溝駅があり、ここも10を超える数の出店があります。
駅周辺以外の激戦区は?
5件が集中している地区があります。出店しているのはMSG武蔵学院、横浜ゼミナール、創英ゼミナール、エクセルシア、けいおう学院といった、恐らく地元系の塾が中心です。地図で調べてみると、そこは“田名”という地区表示で、上溝バイパスと相模川に挟まれた工場や工業団地が目立つ地域であることが分かります。
一方で、地元系の塾が1件しかない地区も珍しくないこと、更には塾がまったくない空白領域もあることが表から見てとることができます。
続きは次回のブログで。