コメダ珈琲八王子楢原店の物件評価【5】ロードサイド出店時のもう一つの留意点

昨日掲載した写真をご覧になり、駐車場が住宅と近い距離で接していることに気づかれましたか?

コメダ珈琲楢原店駐車場(右手)

コメダ珈琲楢原店駐車場(右手)

コメダ珈琲店八王子楢原店の敷地は、裏手を確認したところ、4件の住宅と隣接しています。

何もなかった場所に店舗が開業し、早朝から深夜まで自動車のエンジン音や利用客の話し声などが聞こえるようになったり、排気ガスや場合によっては利用客によるたばこの煙などが流れて来たり、更に、店舗の部分と隣接する2件は西日がさえぎられたりで、法律的には問題が無かったとしても、感情的にはこの出店を快く思わない住民がいても決しておかしくはありません。

コメダ珈琲店八王子楢原店の店長さんをはじめとする従業員の方々は、店舗の利用客だけでなく、こうした“近隣の住民”との良好な関係を構築する努力を怠ってはならないでしょう。

実際に、近隣住民との関係構築に失敗し、彼らからの苦情により、郊外ロードサイドのある店舗が閉店に追いやられたコーヒーショップも過去にはありました。せっかく近所に出店してくださったコメダ珈琲店八王子楢原店がそうならないように願うばかりです。(因みに隣接するセブンイレブンの裏手は道路になっており住宅は接しておりませんでした。さすが!)

いくつかの不安要素を述べて参りましたが、駐車場内での安全と、近隣への対応がうまくなされることを期待したいと思います。

開店を楽しみにしつつ、コメダ珈琲店八王子楢原店シリーズを終えたいと思います。

コメダ珈琲八王子楢原店の物件評価【4】ロードサイド売上に効く自動車での利用しやすさ③

昨日の設問について解説します。

まず、左手9台分のスペースについてです。

コメダ珈琲楢原店駐車場(左手)

コメダ珈琲楢原店駐車場(左手)

隣接するセブンイレブンの敷地との間がブロック塀で仕切られているため、入口から最も遠いスペースと恐らくその隣のスペースは、入口付近からバックして接近するか、前進で接近したとしてもブロック塀すれすれにうまく横付けするように右折しない限り駐車は難しいように思います。前向き駐車も隣のスペースが塞がっていたら、駐車には神経を使いそうです。

また入口に近い部分も駐車しやすいかもしれませんが、店舗の入口前ですが、長い目で見ると敬遠されるように思えます。なぜなら、出るときに一度切り返さないと出口から出られないためです。入口を入り右側の駐車スペースが混雑すれば左側を利用せざるを得ませんが、安全を考えると相当な注意を要すように思います。

次に右側のスペースです。

コメダ珈琲楢原店駐車場(右手)

コメダ珈琲楢原店駐車場(右手)

右側は左側に比べると開放的ですが、どのような順序で駐車場が埋まるかを考えると、利用しにくいスペースがあります。

それは入口から見て一番奥に横に並ぶスペースです。

駐車のしやすいスペースは右手奥のスペースや入口右手の道路沿いのスペースのはずです。最初に目に入りますし、前進して行って、停車して、バックして入りやすいです。

店舗に接する右手のスペースもバックで駐車する場合には駐車しやすいです。それらのスペースがある程度埋まってしまうと、奥の横に並んだスペースは前向けで駐車するほかありません。前向きに駐車した場合、出口に向きをなおす必要が生じます。これをストレスなく出来るかを考えると、小さな“ミニ・クーパー”に乗っている私でも不安があります。

この物件は、“駐車のしやすさ”を考えると、開業後、安全面でヒヤリとする経験をする利用客が発生することが心配されます。安全対策が講じられていることを期待したいものです。

コメダ珈琲店八王子楢原店のケーススタディーについては、これで終わりにしようと思っておりましたが、右手の写真からもう一問、質問を出しておきたいと思います。

<質問> 開業後、“駐車のしやすさ”とはまったく別の問題が発生する可能性があります。何でしょう?

ヒントは写真の中にあります。

続きは明日のブログで。

コメダ珈琲八王子楢原店の物件評価【3】ロードサイド売上に効く自動車での利用しやすさ②

昨日の続きです。“自動車での利用のしやすさ”の3つの要素の残りの“駐車のしやすさ”という観点から、近日オープン予定のコーヒーショップ「コメダ珈琲店八王子楢原店」をケーススタディーとして考えてみましょう。

入口から敷地内に入ると左右の二手に分かれるのですが、左は普通の乗用車9台分の駐車スペースがあります。

コメダ珈琲楢原店駐車場(左手)

コメダ珈琲楢原店駐車場(左手)

<設問1> 駐車するのが非常に困難なスペースがあります。ズバリどこでしょう?

次に、入口から敷地に入って右手の部分です。

多くの利用客はこちらに向かうと思われます。なぜなら、苦心して入ってからすぐに左折はしんどいものですし、右手の方が開放感もあるためです。

コメダ珈琲楢原店駐車場(右手)

コメダ珈琲楢原店駐車場(右手)

写真②は入り口付近から右手の部分を撮影したものです。これをご覧いただいた上で、設問2です。

<設問2> 駐車するのが困難になりえるスペースがあります。ズバリどこでしょう?

解説は明日のブログで。

コメダ珈琲八王子楢原店の物件評価【2】ロードサイド売上に効く自動車での利用しやすさ①

コメダ珈琲店八王子楢原店オープンを受けて(その2)

昨日の続きです。カフェ・コーヒーショップに限らず、コンビニにせよ、飲食店にせよ、ロードサイド立地の店舗の売上を左右するものは何でしょう?

それは“自動車での店舗の利用のしやすさ”です。なぜなら大半の顧客の来店手段は自動車のためです。

“自動車での利用のしやすさ”は3つの要素に分けて考えることができます。3つの要素とは、

  1. 敷地への侵入のしやすさ
  2. 駐車のしやすさ
  3. 敷地からの退出のしやすさ

です。

昨日の写真を再掲しますが、ここでまず注目すべき点は“敷地の出入り口”の状況です。

コメダ珈琲八王子楢原店

コメダ珈琲店八王子楢原店の区画への出入口はこの一か所です。右隣にはセブンイレブンが一足先に開業していますが、そことの間には低いブロック塀の仕切りがあるため車での行き来はできません。

対面の中学校の通学路であることも手伝い、歩道はガードレールや街路樹が設置してあるため、車による区画への出入口の幅員は乗用車がやっとすれ違うことができるくらいです。

侵入時には直角に左折しなければならないため、来店客はそこですれ違うことはせず、退出する車がある場合はその退出を待って侵入すると考えられます。出入口の幅が狭く、侵入する際にはそこを直角に左折しなければならないうえ、退出する車がある場合は一時停止をしなければならない、という物件構造になっているということです。

私自身も運転をしますが、この区画に車で侵入する場合は神経を使うと思います。反対車線から侵入しようとする方や、運転が苦手な方、ワンボックスカーなどの大型の自動車で来店される方はなおさらだと思われます。

“自動車での利用のしやすさ”の3つの要素のうち、コメダ珈琲店八王子楢原店の“敷地への侵入のしやすさ”、と“敷地からの退出のしやすさ”について見てきました。

では“駐車のしやすさ”はどうなのでしょう?

続きは明日のブログで。

コメダ珈琲八王子楢原店の物件評価【1】ロードサイドの売上を左右するもの

コメダ珈琲店八王子楢原店オープンを受けて

ご存じコーヒーショップの「コメダ珈琲八王子楢原店」が10月16日(金)にオープン予定とのことです。開店日が近づくにつれて、オープン準備にも熱が入っていることでしょう。

近隣住民として、カフェの選択肢が増え、個人的には大変ありがたい出店なのですが、郊外ロードサイド立地の店舗であることを考えると、そこはかとない不安が頭をよぎりました。

写真は、通りを挟んで反対側の歩道から「コメダ珈琲八王子楢原店」の物件を撮ったものです。ちなみに店舗の対面は中学校ですが、それはさておき、この写真を見て皆さんはどのようなことを考えますか?

コメダ珈琲八王子楢原店

コーヒーショップに限らず、コンビニにせよ、飲食店にせよ、ロードサイド立地の店舗の売上を左右するものは何でしょう?

続きは明日のブログで。

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▷ 講師 加藤 拓(かとう たく)プロフィール: 専門分野:チェーン店出店戦略、店舗開発、売上予測。市場調査会社にて、日本マクドナルド社GISシステム構築・マクドナルド売上予測モデル構築に携わった後、スターバックス コーヒー ジャパン社店舗開発本部・経営企画室にて、出店戦略立案、物件判断、新規物件の売上予測、既存店舗の売上分析等の店舗開発実務を10年間にわたり担当。(株)福徳社設立後は、多数飲食・小売・サービス業種チェーン企業の店舗開発部門のコンサルタント・社内研修講師として活動中。
3大学の専任講師・非常勤講師を現任(研究分野:出店戦略、サービス・マーケティング、消費者行動の計量分析、マーケティングと企業成果の関連)。
博士(学術)。慶應義塾大学商学部卒、東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了、コペンハーゲンビジネススクール留学、慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学。宅地建物取引士(登録番号 東京 第242957号)。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)。


店舗開発実務講座「公式テキスト」(PDF版)目次

●はじめに

第1章 「店舗開発という仕事」とは

  1. 店舗開発部とは 【1】店舗開発部はどう認識されているか? 【2】店舗開発への誤解が生じる背景 【3】理論武装の必要性  ● コラム① 店舗開発以外の経験は店舗開発部で活かせるか?
  2. 店舗開発の業務フロー 【1】一般的な業務フローの例 【2】業務フローの難所 ①物件情報の入手 【3】業務フローの難所 ②売上予測 【4】業務フローの難所 ③社内承認
  3. 店舗開発活動の効率化に向けて 【1】効率化に向けて必要なこと 【2】多店舗化が進まない企業の傾向 ●コラム② 売上予測のあるべき姿 ●(ケーススタディ)1号店開店からわずか2年で撤退

第2章 物件開発 (1店舗を開けるまで)

  1. 物件情報を集め始める前に 【1】着任した初日から何をすべきか? 【2】既存店分析の進め方
  2. 物件評価の考え方 【1】立地のタイプ 【2】店舗の売上を左右する要因 ●コラム③ 大型商業施設の分類
  3. 物件評価で使う用語解説 【1】商圏 【2】TG(Traffic Generator) 【3】動線 【4】GISシステム(地理情報システム) 【5】通行量・交通量調査 【6】現地調査
  4. 物件情報の収集 【1】路面店舗の場合 【2】施設内店舗の場合 【3】物件情報収集の際の心構え ●コラム④ 物件情報の流通について ●コラム⑤ 適切な立地の取捨選択における「2つのエラー」
  5. 物件調査と社内提案 【1】物件調査を行うにあたっての心構え 【2】物件調査の手順 【3】デスクリサーチの目的(仮説構築)と方法 【4】現地調査の目的(情報収集+仮説検証)と方法 【5】情報のストーリー化 【6】プレゼンテーションの際の心構え  ●コラム⑥ 効率的な仮説構築の方法 ●コラム⑦ 間口の長さを測る方法 ●コラム⑧ 2分間プレゼンのススメ

第3章 出店戦略・店舗網最適化戦略

  1. 戦略立案のフレームワーク 【1】複雑な問題 【2】具体的な業務課題
  2. 出店戦略 【1】出店戦略の目的 【2】総店舗数の求め方 【3】総店舗数の地域配分 【4】出店戦略の6類型 【5】出店戦略のエリア戦略へのリンク ●コラム⑨ 地域性に応じたSC店舗開発の留意点
  3. 店舗網最適化戦略 【1】店舗網最適化に向けた考え方 【2】店舗網の現状分析(健康診断)の方法
  4. エリア戦略 【1】エリア戦略とは 【2】エリア戦略の目的 【3】エリア戦略がないとどうなるか? 【4】エリア戦略の立て方 【5】エリア戦略における店舗利益率の考え方 【6】エリア戦略における店舗の役割の考え方 【7】エリアにおける店舗の最適配置の考え方 【8】カニバリ(自社競合)の考え方  ●コラム⑩ 戦略とは? ●コラム⑪ エリア戦略に役立つ顧客アンケート調査のすすめ ●コラム⑫ “エリア・エイジ”を思いついたきっかけは? ●コラム⑬エリア・レポート作成のすすめ
  5. 市場計画(マーケット・プラン)の立て方 【1】市場計画を立てる手順 【2】新規出店に伴う既存店カニバリの折り込み方
  6. 出店戦略7つの根拠「なぜ、今、そこに?」

第4章 エクセルを用いた売上予測

  1. チェーン企業の新店の売上予測とは? 【1】売上予測に説得力をつけるには? 【2】売上予測モデルとは
  2. 売上予測のための既存店分析の方法 【1】データベースの作成方法 【2】既存店売上データの見方 【3】データの収集と分析の方法
  3. 売上予測モデルの作り方 【1】単回帰分析 【2】重回帰分析 【3】変数 【4】新規物件への適用方法と使用上の注意 ●さいごに ●専門用語解説 ●(付録)大型SC・百貨店の坪効率・売上高ランキング

【実施概要】店舗開発実務講座

  • 日程:セミナー開講日程は個別に調整させていただきます。受講ご希望の方はこちらよりお問い合わせください。折返しメールにてご連絡させていただきます。
    ①午前の回(9:30~12:30) ②午後の回(13:00~16:00)
  • 定員:各回1~2名(ご受講2名様までは、受講料は変わりません)
    ※3名様以上でのグループ受講をご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。
  • 所要時間:3時間(セミナー+質疑応答)
  • 講師:株式会社福徳社 加藤 拓
  • 受講料:99,000円(税込)
    ※公式テキストは、事前にPDFファイルでダウンロードいただきます。
    ※受講料は銀行振込となります(ご請求書発行)。
  • 参加方法:本セミナーはGoogle Meet(無料アプリ)にて実施します。講座お申込み後にお知らせする講座配信URLよりご参加下さい。
    ※ご参加には通常のビデオチャットを利用できる環境が必要です。Webカメラ搭載PC、タブレット、スマートフォンなどからご参加いただけます。

開講日程・受講申込はこちらから


講師からのご挨拶

「個別指導版」1日集中コース開講にあたって

コロナ一色だった2020年の流れが止むことなく2021年を迎えました。昨年は、弊社セミナーも、吉祥寺会場・新大阪会場での開催予定は全て中止となってしまいました。2017年に開講し、4年目にしてその役割は終わってしまったのだろうか、と思いながら、どんどん時間が過ぎていきました。
しかし、昨年の秋口ぐらいからだったと記憶していますが、少からぬ人数の方々から、セミナー開催について個別にお問い合わせをいただくようになりました。

昨今、小売・サービス業の倒産や閉店といった暗いニュースばかりが目立ちます。しかしながら、閉店する企業や出店に慎重になっている企業が増える今を、消費者や企業の行動様式が変わりつつある今を、自社の市場での存在感を高める“好機”と積極的に捉える企業も少なからず存在しています。

(今後も続くと考えておいたほうがよい)この厳しい環境下において、リスクを抑えつつ出店する上で、店舗開発担当者が直面する問題はより複雑なものになると思われます。それと同時に、店舗開発担当者のスキルアップのスピードや、スキルそのものの質の向上もますます要求されるようになると思われます。

こうした中、複数の企業の方々に一同に会していただき、共通項的な内容をお伝えする従来型のセミナー方法には、この状況下で物理的に開催が困難であるというだけでなく、受講される方にとって肝心な事柄に、個々の会社の企業秘密もあって、なかなか触れることができない、という問題がありました。

昨年は、在宅勤務や遠隔会議が急速に普及した年でもあり、ビデオ会議システムを用いることにより、予定が合えば気軽にミーティングを開くことができるようになりました。弊社もこの流れに乗り、時代に合わせた従来の方法とは異なる“オンラインによる個別指導型”のセミナーを本年より開講させていただきます。
これにより、受講される方のニーズに合った内容や終了直後からの業務に活かせる事柄を、具体的に、かつ、きめ細かくお伝えすることができるようになります。事前にメールにてご要望をうかがった上で、受講者様にふさわしい“オーダーメイド”の内容を準備させていただきます。受講後に業務に戻られた際にご不明な点が出たときなどのアフターサービスも充実させて参ります。

皆様のご受講をお待ちしております。どうぞよろしくご検討ください。

2021年1月11日
株式会社福徳社 加藤 拓

売上予測再考14|“近隣競合店の売上への影響がほぼない”場合とは?

前回の続きです。近くに競合店があるといっても、自社店舗の売上への影響がほとんどないのはどのような場合でしょう?

何らかの要因が“自社店舗<競合店舗”であればマイナスに影響します。しかし、逆に“自社店舗>競合店舗”であれば影響は受けにくいと考えるべきです。

要因には、面積、飲食店の場合は座席数、サービス業の場合は接客要員の人数などの、店舗の供給能力に関するものが含まれます。これが自社店舗より競合店舗の方が勝っていれば、マイナスの影響を強く受けることが考えられます。

要因には“立地”も含まれます。競合の方が利便性が高い立地にあり、集客しやすい場合はマイナスの影響を強く受けることが考えられます。

こうした要因が勝っている競合店が、自社店舗から至近距離にあれば、ある人が2つの店舗を比較した場合に自社店舗を選択する確率も低くなると考えられ、売上にもマイナスの影響を及ぼすことが想像できます。

このように競合について考える場合は、競合店舗の数だけでなく、競合店舗の規模(供給能力)や立地(利用客の利便性としての立地と自社店舗との位置関係を示す立地の2つの意味があります)といった、店舗の“性質”についても評価してみてください。

かつて当ブログにおいて“自社競合(カニバリ)”について書かせていただいたことがありました(記事はこちら>カニバリとは?)。この考え方は他社競合にも転用できますので、5年以上も前に書いたものになりますが、よろしかったら参考になさってください。

次からはいよいよ物件評価、立地評価に関する内容に入ります。続きは明日のブログで。

売上予測再考7|売上予測のために日頃から癖をつけておくべきこと

前回の続きです。売上予測についてご質問をいただいたり、実際に仕事としてお手伝いさせてただく中で、日ごろ自分が当たり前に行っておることがあります。今回はそれをご紹介します。

ここまででお話ししました“市場規模などの数字が類似している店舗なのに売上に差がある店舗がないかを確認すること”は必ず行っています。

売上予測は、関連するデータや情報があると、あるだけ関連させてしまいがちなのです。

その場合、時間にも限りがある中で時間や労力がかかってしまいます。また、その方法ですと、新規物件の売上を予測する際に、なぜその金額になるのか、あるいは、ある要因の数字を変化させた場合、例えば、駐車場台数を3台増やしたら売上がどうかわるか、といった質問に答えることができなくなってしまうのです。

売上と関連しているある数字が類似している店舗なのに、売上に差がある店舗がないか?を確認すると、こうした問題を解決することができます。

差異がある店舗を見つけたら、次は、“店舗間の売上に差が生じる原因を考え、それを客観的な数字で表し、売上との関連について仮説を立て、それを検証する”ということを行います。実は売上予測はこの過程の繰り返しです。とくに“客観的な数字で表す”という部分が、何といいますか、腕の見せ所のような気がします。

その際に、〇〇を5段階で評価するなど、人の主観的な評価、採点に基づく数字を使うことが考えられますが、個人的にはそれは避けるべきと考えていますし、セミナー等でもそうお話ししています。フライングですが、物件評価で視認性という言葉がよく出てきますが、私は“視認性”は予測に含めるべきではない、とお話ししています。 

なぜなら、視認性の人の評価は、人によって変わる可能性があるためです。また、同じ人であっても別の日に同じ評価をして、前回と同じ評価が再現されるという保証もありません。

今後、競争環境、立地、物件構造などの特徴を予測に含める方法についてもお伝えしてまいりますが、それらを客観的な数字で表す際には、人による評価の数字は使えないものと考えてください。

では、客観的な数字の決め方は?ということで、続きの次回は、市場規模の数字の決め方についてお話します。

年末のご挨拶と「店舗開発という仕事」新セミナー(於大阪)開催のお知らせ

早いもので、2019年も仕事納めの日となりました。

お陰様で弊社セミナーには今年も多くの方々にお越しいただきました。関西での初開催や海外のお客様向けの初開催など、新たな試みも行い、さらに、まだ改良の余地は多々あるものの「店舗開発という仕事」シリーズの内容を1冊にまとめたオリジナル・テキストも形にすることができました。

来年は、「店舗開発という仕事」セミナー開催開始から4年目を迎えますが、内容のさらなる充実に努めて参りたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

内容充実の一環で、この年末年始、現在の基礎コースをより実践的なものにする改良工事を行っております。

その第一弾として、“基礎コースの復習+実践編(既存店・物件評価、売上予測、出店戦略)”をセットにした新コースの第1回を、2020年2月20日の2並びの日に大阪で開催させていただきます。よろしくご検討ください。

来る2020年、小売店舗はただ物を置いて販売するという従来の方法だけではいよいよ立ち行かなくなる、という論調が海外では最近目立つように思います。年明けの当ブログはこうした事柄を考え始めるための情報発信からスタートさせていただきますので、どうぞご期待ください。

本年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末のご挨拶と「店舗開発という仕事」新セミナー(於大阪)開催のお知らせ

早いもので、2019年も仕事納めの日となりました。

お陰様で弊社セミナーには今年も多くの方々にお越しいただきました。関西での初開催や海外のお客様向けの初開催など、新たな試みも行い、さらに、まだ改良の余地は多々あるものの「店舗開発という仕事」シリーズの内容を1冊にまとめたオリジナル・テキストも形にすることができました。

来年は、「店舗開発という仕事」セミナー開催開始から4年目を迎えますが、内容のさらなる充実に努めて参りたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

内容充実の一環で、この年末年始、現在の基礎コースをより実践的なものにする改良工事を行っております。

その第一弾として、“基礎コースの復習+実践編(既存店・物件評価、売上予測、出店戦略)”をセットにした新コースの第1回を、2020年2月20日の2並びの日に大阪で開催させていただきます。よろしくご検討ください(詳細はこちら)。

来る2020年、小売店舗はただ物を置いて販売するという従来の方法だけではいよいよ立ち行かなくなる、という論調が海外では最近目立つように思います。年明けの当ブログはこうした事柄を考え始めるための情報発信からスタートさせていただきますので、どうぞご期待ください。

本年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。