無料相談受付開始!新店売上予測にお困りの方へ(100店舗以上のチェーン対象)

売上予測、当たっていますか?“外注先に丸投げ”していませんか?

『既存店数は多く、データはあるが、なかなか予測が当たらない…』『データはあるが、売上にどう影響しているかのウェイトがつけられない…』『店舗が増えたのが最近で、売上予測の仕組みができていない…』

チェーン店店舗開発部門の方からよく聴くお悩み

多店舗展開が進んだチェーン店では、重回帰分析等の統計的手法による新店の「売上予測モデル」(出店を検討している物件情報を入力すると、新店の予測売上高を自動的に計算してくれる予測式)を構築することが必要になります。

売上予測モデル

売上予測モデルは、店舗開発部門の皆様ご自身が、「なぜその金額になるか」や「当たった/外れた理由」を会議で説明できるものでなければ、実務上は使いものになりません。しかしながら、社内のノウハウや人員不足から外注し、「当たらない」「使い勝手が悪い」システムができあがってしまうケースが後を絶ちません。

当たらない理由としては、説明変数がやたらに多かったり、実際に使われる際の運用精度が低かったり、というものが多いです。売上予測は、外部任せで当てられるほど簡単なものではありません。まずは社内でしっかり整理すべきことがあります。(参考記事:売上予測・既存店分析入門  YouTube解説動画:売上予測、当たってますか?

売上予測でお悩みの方へ、無料相談サービスを開始します

そのような状況の改善に少しでもお役に立てればとの思いから、既存店売上の統計分析例の実施と、具体的なお悩みに応じた簡易コンサルティングを、ご希望の企業様に無料で実施させていただきます。なお、統計分析を用いるため、既存店の店舗数が100店舗以上に達しているチェーン店が対象となります。また、エクセルで店舗別売上他のデータのご用意をお願いいたします。

重回帰分析はエクセルでも簡単にできるようになっており、基本的な考え方をご理解いただければ、売上予測は内製化もそれほど難しいことではありません。詳しくは面談にて解説させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

無料相談サービス 概要

  • 対象: 100店舗以上展開されているチェーン店
  • 毎月先着5社限定
  • 店舗別売上・関連データ(Excel)はご用意ください。

無料相談の流れ

  1. 事前ヒアリングで、具体的なお困りの状況をお伺いします(面談、1時間程度)。
  2. Excelに店舗別売上や関連データを入力の上、弊社までお送りいただきます。
  3. 弊社にてデータを分析し、問題解決に向けたアドバイスをご提供します(面談、1時間程度)。

担当コンサルタント プロフィール

加藤 拓 Taku Kato

加藤 拓(専門分野:チェーン店出店戦略、店舗開発、売上予測): 市場調査会社にて、日本マクドナルド社GISシステム構築・マクドナルド売上予測モデル構築に携わった後、スターバックス コーヒー ジャパン社店舗開発本部・経営企画室にて、出店戦略立案、売上予測モデル構築、既存店売上分析、物件判断、市場調査等の店舗開発実務を10年間にわたり担当。福徳社設立後は、多数飲食・小売・サービス業種チェーン企業の店舗開発部門のコンサルタント・社内研修講師として活動。複数の大学・大学院で教鞭をとる。博士(学術)。慶應義塾大学商学部卒、東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了、コペンハーゲンビジネススクール留学、慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学。宅地建物取引士(登録番号:東京 第242957号)。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)。

お問い合わせ・お申込みはこちらから

以下のフォームにてお気軽にお問い合わせください。折り返し担当よりメールでご連絡させていただきます。

    ■ 予測対象のチェーン店に関する情報


    新店売上予測モデル構築

    ご自身の言葉で売上予測の根拠を社内に説明できるようになります

    売上予測モデルとは、出店を検討している物件情報を入力するだけで、新店の予測売上高を即座に計算できる予測式のことです。

    既存店舗の売上の傾向を把握し、それを新規物件の条件に当てはめて予測額を算出していきます。

    多店舗展開する飲食業・小売業・サービス業などのチェーンストアを対象に、重回帰分析等の統計的手法により、新店の売上予測モデルを構築します。(※統計分析を用いるため、既存店の店舗数が20~30店舗以上に達しているチェーンストアが対象となります。)

    まずは、既存店売上を分析し、売上がバラついている理由を説明すべく、「どのような条件のもとで店舗の売上が高くなるのか、低くなるのか?」という点について、要因を『見える化』していきます。

    その上で、新店の売上を計算するための予測式を作り、検証を重ねながら、売上予測の精度を上げていきます。

    売上予測モデルの構築プロセスはブラックボックスであってはならないと考えています。そこで、福徳社の売上予測モデル構築プロセスでは、社内のご担当者にデータや計算式を開示し、ステップバイステップの丁寧なご説明を心がけています。ご自身の言葉で売上予測の根拠を社内に説明できるようになります。また、プロジェクト終了後も社内でメンテナンスができるようサポートをいたします。

    ストーリー:立地を選択する際に何を確認するべきか?~既存店分析から物件の評価基準を決定するまで~

    K県を中心に医療サービスの店舗を25店舗運営するH社は、売れる店舗と売れない店舗の売上の差が大きくなりつつあった。その要因を店舗開発担当者が探ろうとしているが・・・

    A「〇〇店が開けてみると好調でびっくりしています。逆に△△店が、ここは行けると思っていたのですが意外と売れてなくて、社長からも“大丈夫なの?”ってせっつかれています。」

    担当「好調、不調の理由は把握できているのですか?」

    A「医療関係なので(施術する)人による影響が大きいとは思うのですが、それだけではないような気がしています。そこで止まってしまっている感じです。」

    担当「25店舗あって売上に差が出てきたということは、人以外の要因が関わっているはずで、これは業種を問わず言えることです。」

    A「人以外の要因でよく聴くのは、店の前を大勢の人が通っているか、とかですか?」

    担当「それも含まれます。でもそれだけではありません。簡単に言うと、店舗を利用しようとする人が、店舗があることに難なく気づくか?店舗に行きやすいか、入りやすいか?という内容です。」

    A「調べることはたくさんあるのですか?」

    担当「闇雲に調べても非効率です。最終的にやらなければならないことは、売上の差が何によってつくかを明らかにして、売れる店舗の条件を定義することです。」

    A「確かにそうですね。では何から始めたら良いのですか?」

    担当「既存店の周辺(商圏)の状況と物件構造について効率的に調査して、売上と関連づける作業が必要です。デスクリサーチ、現地調査、売上との関連分析を通じて、売れる店舗の条件を定義することまで総合的にお手伝いすることが可能です。その過程で売上予測モデルもおまけで作成します。25店舗がK県中心に集中しているなら、最短で3ヶ月もあればできます。ご希望でしたら新規物件で運用するところまでサービスします。」

    A「ぜひ、お願いします。」

    ・・・その後、約半年で売れる店舗の条件が定義され、物件の調査から選定までのプロセスもスムーズに進むようになり、当初の課題は解決した。

    これは、福徳社の実際のコンサルティング事例をベースにしたストーリーです。

    どのような課題をお持ちですか? 

    成長段階や店舗網の状況に応じて、必要な支援の方向性も企業ごとに異なります。御社にふさわしい内容を具体的にご提案します。ご質問やお問い合わせはこちらからお気軽にご相談ください。

    新店売上予測「超」入門(3)「売上予測=社内合意」という“覚悟”の重要性

    売上予測が当たらない理由をズバリ言いますと…

    売上予測が外れる本質的な理由は何か?当たる予測に近づけるには何をすべきか?単回帰分析だけでは当たらない理由は?売上予測プロセスで回帰分析をどう使うか?など、売上予測のそもそも論についてお話ししてみました。

    弊社YouTubeチャンネルにミニ講義をアップしましたので、ぜひご覧ください。

    新店売上予測「超」入門(2) 単回帰分析実践!店舗面積と予測売上の関係

    教科書通りにいかない…ときの単回帰式使い分け法

    店舗売上予測で“綺麗な傾向”が出ないことは、実務ではよくあります。そのような場合の対処法は?というご質問をいただきましたので、店舗面積と予測売上の関係を例に、単回帰分析式2本を使い分ける実務的方法を具体的に解説しました。

    弊社YouTubeチャンネルミニ講義をアップしましたので、ぜひご覧ください。

    新店売上予測「超」入門(1) 回帰分析とは?中学数学だけでわかる必須知識

    苦手意識を持ちがちな売上予測業務を、得意技にするために

    店舗開発において、新店の売上予測業務は「なかなか当たらない」「どうやってやったら良いのかわからない」と悩まれている方が非常に多い領域です。

    でも、この売上予測は、物件のプレゼンで避けては通れないものですし、上に外しても下に外しても深刻な問題を起こします。きちっとできないと、店舗開発担当としては、よろしくないわけです。

    ということで、売上予測をできるようになるために、統計学やExcelに関する本を探し、やってみようとするわけですが、これがなかなか、仕事に直結するように書かれているものがないのです。

    ないならば作ってみようということで、当ブログでは、店舗開発の売上予測に使う必須の知識を、何回かにわたって、なるべく分かりやすく解説してみたいと思います。

    少しだけ数学の話もしますが、中学校までに習ったものしか出てきませんので、どうぞ身構えずにお付き合いください。

    今回はその第1回目として、「回帰分析」についての説明の触りの部分をやってみたいと思います。

    そもそも「売上予測をする」とはどういうことか?

    そもそも売上を予測するとは、既存店舗や、それがない場合は競合店などの類似する店舗の傾向から、新規物件の売上を“数字で測定すること”をいいます。

    どのように測定するかというと、既存店や類似する店舗の傾向を分析し、その分析結果を新規物件に当てはめて結果を出していく。こういう作業をいいます。

    ですから、ここに開けたら売れる・売れないといった、いわゆる“予想”ではありません。予測の「測」は、測定の「測」です。数字で測定することが予測ということになります。

    ですからこれは、客観的な説明が求められます。客観的な説明とは、同じやり方で誰がやっても同じ結果が出るということです。

    この予測値を出すやり方を、なんとなく自己流で行うのではなく、きちっとした作法や方法に則ってやってほしいということで、統計学やデータ分析を使うことが求められるわけなんです。

    統計学とか、データ分析の手法をきちんと施したということによって、説得力が増していきます。その結果、社内の納得が得られやすくなるということで、こういう統計的な手法を身につけて売上予測をやっていくことが大切なのです。

    第一段階:散布図の作成

    最初に行っていただきたいのは「散布図」を作成するという作業です。こちらの図で説明します。

    散布図の作成では、まず縦軸と横軸を取ります。店舗開発の売上予測の場合、縦軸は店舗の売上となります。横軸の「?」は、売上に影響する事柄で、売上に関連する「要因」と言ったりもします。

    重要なポイントとして、横軸と縦軸に何を置くかは決まっています。横軸は原因になるもの、「規定要因」にあたるものとご記憶ください。縦軸はその結果に当たるものです。ですから、縦軸が店舗の売上となります。シンプルに、縦軸は店舗の売上、横軸が要因と覚えてください。

    この店舗の売上と売上に関連する要因を店舗ごとに集めて、既存店のデータをプロットしたもの、これが散布図というものです。

    例えば図のような形となります。緑の点が7つあります。既存店が7店舗あり、店舗の売上が高いところから低いところまであって、「?」の売上に影響する事柄は、右に行けば行くほど(「?」の値が大きくなればなるほど)売上も上がっていく。こういう関係が読み取れそうですね。

    こういったことを目で見て把握するために、この散布図というものを作成していきます。これは、実際に実務で行うときは、Excelを使います。

    そうすると、「?」が増えていくと店舗の売上も上がっていくということで、この7つの緑の点のちょうど間ぐらいを通る線を引いていくと、図のような赤い線が見えてきます。

    散布図を作成して、2つの関係を一直線で表すとどうなるかな?なんて見ていくのが、第1段階となります。

    第2段階:回帰分析をする

    次に、回帰分析というものが出てまいります。回帰分析というと、統計学の中に出てくる手法なのですが、なるべく簡単に説明してみたいと思いますので付き合いください。

    先ほどの散布図を再びご覧ください。散布図を描いた後に、7つの点のちょうど間を通るような一直線を考えるという話をしましたが、回帰分析は、その赤い線を1本に決める作業です。

    まずは試しに、前掲の散布図の緑の点だけを見ながら、赤い線を皆さんそれぞれに描いてみてください。すると、赤い線は人によってひき方が変わってきてしまうのではないかと思います。同じ方でも、時間をおいてもう一度同じことをすると、全く同じ線にはならないのではないかと思います。このように、線の引き方は、人によって変わってしまうのです。ですから、この赤い線1本を、誰が見ても誰が決めても同じになるように、1本に決めたいんです。

    売上に影響する事柄について、対象の物件について調べると、「?」の値が定まります。その値から上にいくと、赤い線にぶつかります。この赤い線によって、売上予測の値が計算される。回帰分析というのは、こういう仕組みを作ろうとしているんです。

    「?」の値を1個決めると、予測売上が1個決まる。こういうものを「関数」といいます。xの値が1個決まるとyの値も1つ決まる。中学校の数学の時間に習ったことですが、そういう関係のことを関数といいましたね。一次関数といいますが、店舗開発の仕事でも、こういうところで使われているんですね。

    赤い線を1本決めるとはどういうことかと言いますと、これは【店舗売上=ある係数×「?」の値+定数】という式を一つ決めることになります。式を一つ決めるというのは、係数と定数を決めることです。これによって、赤い線がただ一つに決まるんです。これを決めることを回帰分析と言います。回帰分析で何をやるかというと、この係数と定数を求めるんだと認識してください。

    中学校で習った一次関数では、y=ax+bという式があったと思います。このaとbを決めていくことを
    回帰分析といいます。ここで示した定数のことを「切片」、係数のことを「傾き」「変化の割合」などという言葉で習っていると思います。

    回帰分析で関数が決まることによって、1本の線が決まり、物件の「?」の値から店舗売上の値が1つ決まるんです。赤い線の関数を経て予測売上が1つ決まっていくと、誰が計算し ても同じ数字が求まるようになるわけです。

    今回は、回帰分析とはどういうものなのか、ということまでわかっていただければと思います。

    実際の分析はとなると、Excelで行います。データ分析機能というものがあり、これが非常に便利になっています。

    単回帰分析と重回帰分析

    さて、売上に影響する要因である「?」に当てはまるものですが、これは通常、複数あります。1つ2つでは決まりません。

    ですから、回帰分析というのは2つに分かれており、「単回帰分析」というものと、「重回帰分析」というものがあります。

    単回帰分析というのは、要因がたった一つ だけの場合です。このようなケースはほとんどありません。2つ以上関連していることがほとんどです。この場合は、重回帰分析というものを使います。

    単回帰分析と重回帰分析の違いは、要因が1つか2つ以上かということの違いだけで、基本的に考え方は一緒です。

    次回に向けて:実務では、さらに様々なコツや考え方がある

    先程の例では、7つの点があって、綺麗に赤い線を1本引けましたが、実際は、線が1本きれいに引けるなんてことはほとんどないです。通常、要因は複数あるとお話しましたが、複数の要因を何でもかんでも関係させ ていけばいいかというと、そんな簡単なことでもないんです。

    しかしながら、仕事ですぐ使えるような知識だけがまとまっている書籍等がほとんどないので、当ブログでは、やり方やコツをご説明していきたいと思います。ご興味がおありの方は、またお付き合いください。

    ということで今回は、売上予測に使う回帰分析とはどういうものなのか?をお話してみました。まずはざっくりとイメージを掴んでいただければ結構です。また、中学校の頃に習った数学が、実はこういったところで使われているんだ、なんてこともわかっていただければ良いなと思います。

    続きは次回のブログで。弊社YouTubeチャンネルにもミニ講義をアップしましたので、ぜひご覧ください。

    路面店売上予測の落とし穴~店前通行量が抜群でも売れない理由とは?~

    前回に続き“売上予測が外れるパターン”について。今回は路面店のケースを取り上げます。

    私自身がかつて、売上予測を大外しして痛い目にあった怖い失敗談を素材に、店前通行量の見方についてもお話ししたいと思います。

    店前通行量と店舗売上の関係

    店前通行量が少ない場合、店舗売上がどうなるのか?といいますと、自力で集客する力の弱い店舗や企業の場合は、高い売上が期待できない、と考えることになります。なので、通行量の少ない立地は避けられてしまうわけです。

    逆に店前通行量が多いと、“集客できないリスク”が低い、出店して失敗する危険性が低い、と考えることができます。よって、通行量は、多いところが好まれやすい。ここまでは、それはそうだろうな、という話だと思います。

    しかしながら、通行量が多いからといって、一概に高い売上が期待できるのか?というと、そうとも限らないのです。

    いくつかの地点があって、店前通行量、物件の前の通行者数がほとんど同じでも「何か」が違うことがあります。その「何か」によって、売れたり売れなかったりするんです。

    店前通行量は何のために測るのかと言いますと、出店した後の売上予測に使うためです。店前通行量と店舗売上の関連をマトリックスで示してみました。

    店前通行量と店舗売上の関係

    縦軸は店舗売上が高いか低いか、横軸は店前通行量が多いか少ないか、を示します。売上は店前通行量が少なければ低くなり、店前通行量が多くなれば高くなるのが普通ですので、普通は右上か左下になると思われます。

    左上の、店前通行量が少なくて売上が高い店というのは、立地が良いとか、間口が広いとか、色々な条件が揃った非常に理想的で優秀な店舗であることが考えられます。

    問題となるのは右下です。店前通行量は多いものの、店舗売上が低い「△×(売れない)」とあるところです。こういう立地には、店舗開発としては、出店を避けたいと考えるわけです。

    余談~かつて私が予測を大外しした失敗談~

    関連して余談です。

    今だから言えますが…というお話です。個人的に、もう20年ほど前の話になりますが、売上予測を大外ししたことがあり、その時のことはいまだによく覚えています。

    ある集客力抜群の施設がありました。その施設と最寄り駅の間を結ぶ強力動線上の区画に出店することになりました。売上予測値をおよそ3000万円で出したのですが、実際のところは、売上はその半分にも届かなかったというケースです。

    当時は既存店に類似したところがなく、イレギュラーなケースだったので、仕方がなかった等の事情もあります。が、いずれにせよあってはならない失敗です。これを教訓にしようと、原因をずいぶん考えたものでした。

    さて、その施設とは何でしょう?ヒントは大阪です。今でもあります。目的地としての力が非常に強い施設です。

    正解は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンです。

    私はその店舗の予測を大外ししてしまったので、怖くて、いまだにUSJには行ったことがありません。今後も多分行くことはないんじゃないかなと思います。

    以上、余談ですが、これを教訓としてお話していきたいと思います。

    店前通行量の数字のみ鵜呑みにしての判断はNG

    売上予測に反して売れない、これは開発としては避けたい。売れると言ったのに売れないというのは最悪です。と考えると、店前通行量の数字を鵜呑みにしてはいけません。

    鵜呑みにしない場合どうすべきか?というと、数字を調整する必要があります。予測売上をやや控えめに見るというようなことも時には必要、ということです。それによって、ふさわしい売上予測を立てましょう、ということなんです。

    じゃあ、調整の観点としてどういうものがあるんでしょう?ということで、大事なものを2つご紹介したいと思います。

    観点1:全然通行量の性質

    物件の前を通っている人の数だけではなく、その通行している人の性質、質的なものを観察してください。

    例えば、歩行者の通行の目的です。目的が明確に定まっている、あまりにもハッキリしている場合というのは、歩く速さも速くなってきます。そうすると、その早い速度で歩いている脇にある店舗は、やはり、立ち寄られる確率は下がります。

    その他、前面道路や通路の幅も確認してください。前面の道路の幅が非常に広いようなところでは、例えますと、川の大きな流れのように人が通過していく場所があります。当然、店前通行量の数自体は
    多くなるのですが、それに比例して売上が上がっていくかというと、そういうわけでもないんですね。

    例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと駅の間。また、「仙台一番町」という仙台市のメジャーな通りがありますが、そこもかつて似たような苦い思い出があり、こういう話になると思い出す場所です。

    観点2:物件とTG(ティージー、交通発生要因)の位置関係

    TG(ティージー)」という言葉がありました。交通派生要因となるものですが、物件とこのTGの位置関係をよく考える必要があります。

    ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも一つの例ですが、通行者の目的意識が極端に強い施設、真っ先にその施設に向かっていくような、一目散にその施設に向かって人が移動していくような力のある施設の付近は要注意です。

    さらに、その施設の中で行動が完結してしまうような場合です。用事を全て済まして、人が出てくる。こういった場合も厳重な注意が必要です。行きも寄ってもらえない、帰りも寄ってもらえないということで、店の前は結局素通りされるだけで終わってしまうということになりかねません。

    以上、2つの観点を取り入れてみてください。

    まとめ

    店前通行量についてお話をしてきましたが、人数以外の視点も重要です。

    特に、あるTGとそこに近接する他のTGがある場合、その2つのTGを最短距離で結ぶような、単なる移動経路になってるような動線は要注意です。物件の前を人はいっぱい通るのですが、非常に速いスピードで通り過ぎていくようなところは、動線の質的な性質も加味して予測を調整すべきかを検討すべきです。

    今回の話は、路面店出店に関してでしたが、同じようなことはロードサイド物件についても言えます。ロードサイド物件の場合はどうなのか、という点は、次回のブログで解説したいと思います。

    弊社YouTubeチャンネルミニ講義もアップしましたので、ぜひご覧ください。

    売上予測再考18|続・売上予測の根拠説明、物件プレゼンのあるべき姿とは?

    前回の続きです。では具体的にどのように説明したらよいか?に関連して、今回はクイズではありませんが、考えるヒントのような内容です。

    売上予測の根拠説明と物件プレゼンの方法には共通点があります。よって、どちらから考え始めても良いため、ここでは物件プレゼンで考えてみます。

    物件プレゼンの方法について、そのお手本になるのは誰か?それは、ベテランの不動産業者さんです。家や部屋を借りる際に不動産会社さんに世話になった経験がおありの方は、そのとき、とりわけ物件の現調のときのことを思い出してみてください。

    そのときの不動産会社の担当者さんを“自分”、借りようとしている自分を“自分のプレゼンを聴く人”に置き換えてみてください。

    自分が“自分のプレゼンを聴く人”になったとき、“自分”は現調時にどのような説明をしてほしいか?(その物件にGOサインを出すか)、あるいは、こんな説明だったら断る(その物件を没にする)と思うのはどのような説明か?こんなことを考えてみてください。

    …これは、自分にも経験がありますが、説明が上手いなあ、と思う不動産業者さんで、覚えている人が何人かいらっしゃいます。その方々の共通点は、「物件のことをなかなか“話さない”」ということです。

    続きは次回のブログで。

    売上予測再考17|売上予測の根拠説明、物件プレゼンのあるべき姿とは?

    前回ご紹介した、“即刻アウト”になったプレゼンは何がいけなかったのか?

    それは“物件から説明した”ということが大きな原因です。また、“一番いい物件です”という説明も、“本当か?”となり、聴き手も構えて聴こうとします。

    では、なぜそうなってしまったのか?恐らくですが、担当者に“この物件を通したい”という焦りのようなものや、物件についてのネガティブな要因に気づかれたくないという気持ちがあったものと思われます。そうでなかったとしても、せっかく手に入れた情報だし、早く紹介したいという気持ちがあったのかもしれません。

    しかし、焦りは禁物です。

    プレゼンの際の心構えとして記憶すべきことは、(これは物件説明を受ける側の、職位が上の方がよく仰っていることですが)“物件について良いことばかりを言わない”ということです。言い換えると“マイナス要因はあって当然だ”というくらいに考えてください。売れない要因ばかりが含まれているようではいけませんが、売れる要因しかなく、売れない要因がないような完璧な物件などはないと考えてください。

    「この物件には~という欠点がありますが、その一方で、それに勝る~という特徴を備えています」というような具合に、加点ポイントと減点ポイントが、バランスよく含まれている必要があります。もちろん、最終的には加点ポイントが減点ポイントを上回るべきですが。

    良いことばかり言う人と、良いことも言うが間違いがあればそれを素直に認める人とでは、後者の方が信用されるのはないでしょうか?それと同じです。

    “物件にあまり惚れ込んではあかんな。” これはある大手外食企業の店舗開発トップの言葉です。惚れ込むと、良いところしか目に入らない、さらに、良くないところも好意的に解釈して許してしまう、それは物件判断では避けるべきだ、ということです。

    これは売上予測について考える際も同じです。店舗には売れる要因もあれば、同時に売れない要因も含まれます。両者が同時に影響して売上は決まるのです。良い点ばかりでなく、マイナス面も同時に考慮する必要があります。

    物件プレゼンも売上予測の根拠も、ともに客観的で、冷静な説明が必要だということです。

    では、具体的にどのように説明したらよいか?この点は次回のブログにて。

    売上予測再考16|こんな物件説明は即刻アウト~“説得力のない説明”とは~

    前回の続きですが、今日は余談で、“かわいそうなプレゼン”という話です。

    物件説明、とくに売上予測については、説得力のある説明が求められて然るべきです。説明に不信感をもたれた場合、出店承認を経営者から得ることはできないと考えるべきです。「良くわからないがやって(出店して)みましょう」という経営者はまずいないでしょう。

    そこで今回は、あえて“説得力のない説明”についてお話ししてみたいと思います。

    いまだに記憶に残っている、“即刻アウト”を食らった物件説明がありました。

    物件説明といっても経営者へのプレゼンには進めなかったもので、その前段階の店舗開発部内で“即刻アウト”になったものです。(時期、場所等は一切分からないようにお話しします。)

    なせだったのでしょう?

    そのプレゼンは物件の前で行われたうえ、次の発言から始まりました。

    「この物件はこの辺(エリア)で一番いい物件です。」

    その後、上長にちょっと待てと遮られ、それで終わりです。

    (転職してきたばかりの社員で焦っていたのかもしれませんが、)いきなり何の前振りもなく“一番いい物件”というのがまずかったです。一番いい物件など易々と言えることではありませんし、どこかに不足な点があるものです。“一番いい”などと言ってしまうと、余裕がなく、感情的な印象を与えてしまい聴く側は冷静に判断ができなくなります。

    他にも、すぐに終わりはしませんでしたが、最初から強い逆風が吹いたプレゼンがありました。

    なぜだったのでしょう?

    そのプレゼンは、会議室で、物件の現地の地図と写真から始まりました。

    それを見た瞬間、その物件付近を良く知る人が、“そこ知ってる。あまり人がいない(云々)”と言い出し、写真の印象もいまいちで、“〇〇店(売上が芳しくない店舗)に似ている(云々)”と言われてしまい、出だしから一気に出店に対してネガティブな雰囲気が形成されてしまいました。

    これら2つのプレゼンから教訓にすべきことは、物件プレゼンの方法を店舗開発部員各自に任せっきりにすること、そして、物件説明を、物件そのものの説明から始めることは危険である、ということです。

    物件説明は、物件や担当者によって説明の仕方を変えるのではなく、できるだけ一定の方法に沿って行われるべきものです。それにより、聴く側も物件間の比較ができるようになります。

    物件プレゼン、売上予測の根拠説明のあるべき姿については次回にします。続きは次回のブログで。

    売上予測再考15|新規物件を“物件・立地から説明すること”の2つの危険性

    前回まで売上予測について再考してきましたが、いよいよ“物件・立地評価”に関する内容に入ります。

    いよいよと申しましたのは、このシリーズも大詰めに近づいているためです。

    が、その前に“物件・立地評価”は売上予測の上で重要なので、そちらの方を早く話すべきなのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、ここまで市場の量や質、売場面積、競合店舗に関する要因の順に述べてきた訳をお話ししたいと思います。これはセミナー等でも強調していることです。

    その訳を端的に申しますと「“物件・立地”から説明するのは2つの意味での危険があるため」です。

    1つは、自社の店舗の売上予測をする際に把握すべき“売上が決まる仕組みに関するストーリー”が作れないという危険です。もう1つは、将来、新規物件について会社に提案する際に、その物件の予測売上がその金額になるであろう理由に関するストーリーが作れない、さらには、そのため会議で新規物件の出店承認が得られなくなるという危険です。

    ストーリーとは“説明の流れ”のようなものです。心地よいメロディーのような流れが何事にも求められ、それは物件の売上予測についても同様です。流れがある説明は聴いていてスッと頭に入ってきますし、説得力があるものです。

    逆に、流れのない場当たり的な説明は、頼りなく聴こえ、聴く人に不安感を与えるものです。不安感を持つと承認は得ることはできないはずです。

    そうならないためにも、新規物件の売上予測では、“自社店舗の売上がどのように決まるか?”、言い換えれば、“売上にる関連する要因にどのような事柄があり、それらについて、どのような値が揃うと売上がいくらくらいになる傾向にある”という説明が最初になされるべきです。それに続く新規物件の売上予測では、その傾向に照らし合わせてみて、関連する要因に関する新規物件の値がどのような意味を持つかについて、網羅的に、優れている点と残念ながら劣っている点を、バランスよく誠実に説明しながら最終的な予測金額が示されるべきです。

    こうした流れを作るうえで、市場の量や質、売場面積、競合店舗に関する要因について説明したのちに“物件・立地”の説明をするのは有効なのです。

    逆に、“物件・立地からは入る物件説明は危険”なのです。

    以前、それに強烈に気づかされたある“プレゼン”がありました。“こんなプレゼンは即刻アウト”という話は、次回のブログで。