国内市場での店舗展開にあたり、最初に決めるべきことは何か?それは、「出店を完了した段階でストア・ブランドにどのような意味合いを持たせたいか」です。それにより、出店の考え方は大きく変わってきます。

それを踏まえた上で、多店舗化する企業が出店に関して意思決定しなければならない要素は4つあります。そこには、出店が完了した段階での①総店舗数、②出店する市場の地理的範囲、③総店舗数の地域配分、④想定する個々の店舗の立地のバリエーション、が含まれます。重要なことは、それらを別個に考えるのではなく、同時並行に、システマティックに検討する必要がある、ということです。

…というお話は、以前当ブログの「出店戦略論」シリーズで詳しく書かせていただきました。

それに対し、新たにもう一つ考慮に入れるべき事柄があると考えるようになったため、リサーチを開始しました。論文がまとまったらどこかに投稿しようと考えておりますが、まだ構想段階でそれは遙か先の話なので、ここでは現状分析的なお話をさせていただきます。

“もう一つ考慮に入れるべき事柄”とは何か?それは、新規出店の“速度”、更には年度ごとの“加速度”です。要は、出店数を年度ごとにどう配分するかということです。

仮に目標店舗数を500、達成時期を10年後とした場合に、毎年の出店数を500÷10=50店という出店計画で良いのか?という問題に関連します。事はそう単純ではないはずなのですが、先のことは分からないというような理由で、割り算の計画を立てているケースは多いのではないでしょうか?この辺りの考え方を精緻化していきます。

再び過去記事の話で恐縮ですが、以前、当ブログで、“やってしまった出店”ということで“はなまるうどん”“東京チカラめし”のケースを取り上げました。あまりにも“速すぎる”出店をした企業(屋号)がその後に衰退したという内容でした。それに類似した兆候の見える最近の例は、“いきなりステーキ”です。

しかし、(外食チェーンで)500店超えした企業には、“速すぎる”出店をした時期が必ずと言ってよいほどあります。問題は、こうした状況をどう捉えるべきかということです。

詳しくは、近日中にまたお話します。