昨日の続きです。なぜ経営者のコメントは、「目標1000店」など、出店数の目標を掲げるに留まってしまうのか?

コメダ珈琲店を展開するコメダホールディングスと同様に、成長目標を掲げるものの結果が未達に終わった生のケースを間近でいくつか見たり、聞いたりしてきた自身の経験によれば、多くの経営者は、業界トップの企業をベンチマーク・目標とします。そしてその多くは、“気合い”、“直観”、“根拠に乏しい自信”のようなものに基づいているように思われます。

なぜその数字なの?どのように達成するの?など、答えるべき問題がいくつかあるのですが、その点についてはマスコミ記者やアナリストの踏み込みも甘く、そこから発せられる情報もそれに伴い内容が薄っぺらいうえ、その後のフォローもほとんどなされていません。そのため、最終的な数値目標と展開範囲をその達成時期の見通しとともに示せば“出店戦略”と称されることが多いものです。こうした風潮が、理由の根底にあると思われます。

また、1000店舗なら1000店舗という目標達成までの具体的なプランを立てる際の指針に乏しいことにも原因があります。これは経営者だけが責められるべきことではありません。経営やマーケティングに関する指針を作る人は誰か?研究者という職業についている人がいるなら、そうした人達が責任を負うべきなのでしょう。しかし、その分野の研究で研究者と実務家の間の交流が十分にあり、実務的にも有用な示唆が十分に発せられているだろうか?と考えると、疑問です。

こうした状況を批判するだけならば誰にでもできることです。ではどうしたら良いか?

私自身はサービス・リテーラーを対象として、その経営判断やマーケティングに関する研究・リサーチと実務、コンサルティングを同時並行で進めることをこれまで心掛けてきました。当ブログでは、日本市場に定着するために、“妥当な目標をいかに立てるべきか?”“目標達成までのプロセスをどう構築するべきか?”などに関して、引き続きお話ししていきたいと思います。