小型店舗を全国規模で多店舗化する企業を想定し、同社が日本の北海道に20店舗開店するためのマーケット・プランを立案せよ

前回の続きです。北海道の主要都市の配置を地図で確認したら、市場規模を表す“人口”の多い順に数字を打ってみてください。

1位は札幌市、2位は旭川市です。10位までを示したものが表1です。(データは平成27年1月1日現在のもので、元のデータはこちらのページ(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tuk/900brr/index2.htm)からダウンロードできます。

北海道市場規模

北海道全体で約543万人、うち35.6%の約194万人が札幌市に居住しています。2位の旭川市が約34.7万人で6.4%ということで、札幌市への人口集中が激しいことが分かります。

面積が広大で、都市の発達しやすい平野部も分散しているため、都市間の距離も100kmを悠に超えるケースがざらです。

さて、現在取り組んでいる課題は、北海道で20店舗を展開するための出店計画を策定することでした。主要都市に関するデータから決定すべきことがあります。それは出店する地理的市場の範囲です。言い換えると、どの市まで出店範囲を広げるかということです。これを“自治体レベルでの市場選定”と呼びます。

自治体レベルでどこまで店舗網を拡大するべきか?札幌市で留めるか、2位以下の市場にも拡大するべきか?拡大する場合、どの市までとするか?これを客観的でロジカルな方法で決定する必要があります。

(後述しますが、市の名前が有名かどうか、人口の大きさが十分か、といった条件のみを参考にして自治体を選定すると大変なことになりかねません。)

ではどう考えるべきか?この決定のためには2つの方法があります。

一つ目は“20店舗を人口に応じて配分する”という考え方です。

実際に割り振ってみると表2のようになります。店舗数の欄が自治体別の店舗数です。例えば札幌市の場合、20×35.6%=7.1店舗となり、7店舗は札幌市に開店するべきことが分かります。同様に見行くと少なくとも1店舗が成り立つのは3位の函館市までということが分かります。

北海道店舗数配分

続きは次回のブログで。